1999 Fiscal Year Annual Research Report
ウアバインよるNa^+,K^+-ATPase遺伝子の発現調節機構の解明
Project/Area Number |
11760207
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
石井 利明 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (50264809)
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Keywords | Na / K-ATPaseα1サブユニット / ウアバイン / HeLa細胞 / 転写抑制 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
ウアバイン高感受性(IC50=〜300nM)のNa/K-ATPaseα1サブユニットが発現しているHeLa細胞に、ウアバイン低感受性(IC50=〜250μM)の外来Na/K-ATPaseα1サブユニットをステイブルに発現させたウアバイン抵抗性細胞(Oua-R細胞)を樹立し、比較的低濃度のウアバイン(300nM〜1μM)存在下で7日間培養した。ウアバインの存在あるいは非存在下で培養したOua-R細胞により調製した膜標本を用いてNa/K-ATPase活性を測定した結果、ウアバイン処置したOua-R細胞では、HeLa細胞に内在するウアバイン高感受性のNa/K-ATPase活性が、ウアバインの用量依存的に低下することがわかった。一方、ウアバイン低感受性の外来Na/K-ATPase活性には何ら影響が認められなかった。また、その際の内在Na/K-ATPaseβ1サブユニットのタンパク発現量には変化が認められなかった。次にノザンブロット解析を行った結果、ウアバイン高感受性型の内在Na/K-ATPaseα1のmRNAの発現量が,ウアバインの用量依存的に減少することがわかった。ところが、ウアバイン低感受性型の外来Na/K-ATPaseα1mRNAの発現量はATPase活性の場合と同様、何ら変化が認められなかった。次にウアバイン処置群におけるOua-R細胞の分裂増殖は、無処置群の場合と比べて何ら違いが認められなかった。内在Na/K-ATPaseα1遺伝子の転写に対するウアバインの効果を調べるためにRun-on実験を行った結果、転写率の有意な低下が認められた。以上の結果より、ウアバインの長期処置は、HeLa細胞におけるNa/K-ATPaseα1遺伝子の発現を転写抑制により阻害することが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)