2000 Fiscal Year Annual Research Report
乳脂肪分泌に関わる乳脂肪球皮膜タンパク質の細胞生物学・発生工学的解析
Project/Area Number |
11760223
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
青木 直人 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (40242846)
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Keywords | 乳腺 / 乳脂肪球皮膜 / 乳腺上皮細胞 / ブチロフィリン / ジーンターゲティング |
Research Abstract |
マウスゲノムライブラリーのスクリーニングにより得たブチロフィリンの遺伝子断片を、ブチロフィリン遺伝子と相同組み換えを起こさせるために、ネオマイシン耐性遺伝子(ポジティブセレクション)と単純ヘルペスウィルス由来のチミジンキナーゼ遺伝子を含むターゲッティングベクターに組み込み、PCR法、DNAシークエンシングにより目的とするコンストラクトが構築されていることを確認した。得られたコンストラクトをエレクトロポレーション法により胚性幹細胞(ES細胞)に導入し、その後、ES細胞をG418およびgancyclovirを含むセレクション培地で培養し、薬剤耐性コロニーを得、サザンブロット解析、PCR法により相同組み換えが起きていることを確認した。セロトピン、ゴナドトロピン処理により過剰排卵を誘発したマウスより胚盤胞を摘出し、これに上記で得たブチロフィリン遺伝子を欠損したES細胞を、マイクロマニピュレーターで導入した。これを偽妊娠状態の仮親の子宮へ移植した。生まれたマウスの毛色より判断して出来るだけキメラ率の高い雄マウスを選別し、掛け合わせによりブチロフィリン遺伝子のヘテロ欠損マウスを得ようとしたが、再三の試みにも関わらずヘテロ欠損マウスを得ることは出来なかった。 また、昨年度に引き続き、yeast two-hybridスクリーニングを継続し、ブチロフィリンの細胞内ドメインに結合するタンパク質を探索したが、新規分子の同定には至らなかった。しかしながら、昨年度明らかにした、ブチロフィリン上のxanthine oxidaseとの結合領域を3アミノ酸残基にまで絞り込むことに成功した。また、ブチロフィリン細胞内領域に存在するB30.2様ドメインがxanthine oxidaseとの結合に直接関与し、中でもヒト、マウス、ウシブチロフィリンすべてにおいて高度に保存されている3つのモチーフ構造が重要であることを様々なミュータントを用いた実験により明らかにした。
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