1999 Fiscal Year Annual Research Report
タイト結合構成蛋白クラウディンの機能についての分子解剖学的研究
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11770008
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
稲井 哲一朗 九州大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00264044)
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Keywords | tight junction / claudin-1 / ZO-1 / epithelial barrier |
Research Abstract |
タイト結合(TJ)構成蛋白claudin-1(CL-1)は、N末とC末を細胞質側に向け細胞膜を4回貫通しており、2つの細胞外ループE1およびE2を持っている。CLはE1ループに2つの保存されたシステイン残基を持っている。また、TJの裏打ち蛋白であるZO-1は、CL-1のC末と結合している。(1)CL-1のC末にmyc-tagを付けて、MDCK細胞で過剰発現した。その結果、transepithelial electrical resistance (TER)値が上昇し、FITC-dextranによる細胞間透過性が減少した。このことから、CL-1の過剰発現によりMDCK細胞のバリア機能が亢進することがわかった。この結果はEuropean Journal of Cell Biology 78(12):849-855,1999に発表した。(2)E1ループに2つの保存されたシステイン残基をアラニンに置換すると、CL-1は細胞内に局在しTJを含む細胞膜には輸送されなくなった。非還元条件でのイムノブロットの結果CL-1は、鎖間ジスルフィド結合は形成しないと考えられた。システイン残基をアラニンに置換すると、CL-1の折畳みがうまくいかず、結果として細胞膜への輸送が障害されると考えられた。(3)ZO-1と結合するCL-1のC末領域を除去してMDCK細胞で発現した。CL-1はC末が無くてもlateral membraneに輸送された。フリーズフラクチャーで観察すると、本来のTJよりもbasal側にTJ特有のstrandが認められた。このstrandはC末を欠失したCL-1により形成されていると考えられた。現在、これらの変異体についてさらに詳しく検討しているところである。
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Research Products
(1 results)