1999 Fiscal Year Annual Research Report
四肢背腹軸異常を持つ突然変異マウス メロメリア(mem)の原因遺伝子クローニング
Project/Area Number |
11770011
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
津金 瑞代 札幌医科大学, 医学部, 助手 (10285017)
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Keywords | メロメリア(mem) / 染色体マッピング / 連鎖解析 / 背腹軸 / 四肢発生 / Engrailed-1(En-1) / マイクロサテライトマーカー |
Research Abstract |
津金が系統維持している突然変異メロメリア(mem)では,四肢の腹側構造が背側化を来たし,四肢の背側と腹側を決定しているとされるEngrailea-1、Wnt-7a両遺伝子の発現にも異常があることが明らかになっている.さらに前年度までの研究で,mem遺伝子は13晩染色体上に存在する新規遺伝子であることも明らかになった.このため,mem遺伝子のファインマッピングを行う目的で,メロメリアと明らかに遺伝的背景が異なり,国立遺伝学研究所で遺伝的多型がすでに明らかにされ系統維持されているJF1マウスをメロメリアホモ個体と交配し,得られたF1世代をメロメリアに戻し交配させ,新たに全769個体中258個体の異常発症個体を得た.さらに,それら258個体のDNAを抽出して各々PCR法にて連鎖解析を行った.この結果,mem遺伝子は昨年度までの研究でマッピングされた領域よりもさらに染色体の末端近くに存在することが明らかになった.現在他のマイクロサテライトマーカーを用いてこの位置を確認中であるが,この付近にはすでに明らかにされている遺伝子だけでなく,マイクロサテライトマーカーもほとんどマップされていないため,今後さらなる慎重な解析が必要となる. さらに,戻し交配における発症個体と正常個体の分離比は理論的には1:1になるはずであるが,メロメリアにおける発症個体は全個体中およそ34%に過ぎず,四肢の背腹軸異常の発症に対する修飾遺伝子の存在を裏付ける結果となった.
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