1999 Fiscal Year Annual Research Report
心内膜床形成での心内皮細胞の形質転換におけるBMPとTGFβの協調作用の分子機構
Project/Area Number |
11770015
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
山岸 敏之 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (60255122)
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Keywords | 上皮-間葉系相互作用 / Msx-1 / BMP2 / TGFβ3 / 心内膜床形成 / ニワトリ胚 |
Research Abstract |
将来心臓の中隔や弁を形成する心内膜床は、原始心筒の心内皮細胞が心筋細胞より分泌される未知の誘導因子により間葉に分化し形成される。申請者は、TGFβ(形質転換成長因子β)ファミリーに属するBMP(骨形成因子)-2が、心筋細胞から分泌される因子の一つで、TGFβ3の活性を促進し心内皮細胞を完全な間葉に分化転換することを明らかにした。申請者は、この協認作用にホメオボックス遺伝子のMsx-1が関与していると予想した。心内膜床領域の心内皮細胞だけを培養し、TGFβ3やBMP2を作用させMsx-1の誘導の有無をMSX1/2抗体による免疫組織化学法で調べた。その結果、BMP2を作用させた心内皮細胞に陽性が観察された。そこで、正常胚の心内膜床形成過程でのMsx-1の局在をin situ hybridization法と免疫組織化学法を用いて明らかにした。その結果、Msx-1mRNAは形質転換が起こる前のst14の心内膜床領域の心内皮細胞に、発生が進み間葉細胞が観察されるst16以降ではその両方に発現した。Msx-1タンパク質はst15ではじめて心内皮細胞に存在し、st16-23ではmRNAの局在と同様の発現様式を示した。次にMsx-1が心内皮細胞の形質転換に必要であるか調べるため、器官培養系でアンチセンスオリゴDNAを用いMsx-1の機能阻害実験を試みた。その結果、心内皮細胞の間葉細砲への形質転換は抑制された。
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