2000 Fiscal Year Annual Research Report
精子発生過程における精細管上皮周期形成機構とアンドロゲン受容体の関与
Project/Area Number |
11770016
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
宮東 昭彦 杏林大学, 医学部, 講師 (80255398)
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Keywords | 精巣 / 精子発生 / 精細管精上皮周期 / アンドロゲン受容体 / 水酸化ステロイド脱水素酵素 / 3次元再構築 |
Research Abstract |
マウス精細管上皮周期の形成に対する、アンドロゲン(Leydig細胞)、アンドロゲン受容体(Sertoli細胞、精祖細胞)の関与について検討した。 1Leydig細胞におけるステロイド代謝酵素(hydroxysteroid dehydrogenase;HSD)活性を酵素組織化学的に半定量的に検討したところ,間質Leydig細胞塊の酵素活性(17β HSD及び11β HSD)が,周囲に隣接する精細管のstageに依存して変動していた。Leydig細胞より分泌されるテストステロン量が周囲の精細管上皮周期と関連して変動する可能性が示唆された。 2Sertoli細胞,精祖細胞および筋様細胞におけるアンドロゲン受容体蛋白及びmRNAの発現を検討した。精祖細胞とSertoli細胞のアンドロゲン受容体蛋白の発現を,共焦点レーザ顕微鏡法,画像解析法を用いて数値化したところ,精細管上皮周期に依存して発現レベルが変動していた。 1、2から,Leydig細胞から分泌されるアンドロゲン量及び精細管内の各細胞のアンドロゲン感受性は,精巣内で一様ではなく,局所的に変動している可能性が示唆された。 3精巣組織切片を用い,隣接する精細管のstage頻度の分布から,精巣内における精細管上皮周期の配列がランダムではなく,特定stageの精細管が隣接して存在することが有意に多いことを見い出した。 4精巣の連続切片を作製、立体再構築し、精上皮周期の3次元的な配列(いわゆるspermatogenic wave)について検討した。マウス精巣の精上皮周期は精細管の折れ曲がりごとに、精上皮周期stageの進行が逆転し、一定の領域でspaermatogenic waveの進行方向が一致する現象が認められた。 これらのことから、アンドロゲンを含む精細管周囲の局所的因子により精上皮周期の進行が調節されていることが強く示唆された。
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[Publications] Akihiko Kudo(共著): "The practical side of image processing with the use of a personal computer : automation of the analyzing processes employing NIH Image and Adobe Photoshop (R) with Power Macintosh computers."Acta Histochem.Cytochem.. 32(3). 229-233 (1999)
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[Publications] Kunimasa Yan(共著): "Subcellular localization of glucocorticoid receptor protein in the human kidney glomerulus."Kidney Int.. 56. 65-73 (1999)
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[Publications] Yo-ichi Negishi(共著): "Multipotency of a bone marrow stromal cell line, TBR31-2, established from ts-SV40 T antigen gene transgenic mice."Biochem.Biophys.Res.Commun.. 268(2). 450-455 (2000)
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[Publications] Michio Ono(共著): "Quantitative Comparison of Anti-Fading Mounting Media for Confocal Laser Scanning Microscopy."J.Histochem.Cytochem.. 49(3). 305-312 (2001)
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[Publications] 秋元義弘(共著): "細胞内小器官の同定.(分担執筆:天神美夫 監修,河本圭司,井上勝一,中内啓光 編,「応用サイトメトリー」)"医学書院. 8(369) (2000)