1999 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄間質細胞の造血支持能に関する分子メカニズム-ベスナリノンによる造血微小環境障害モデルを用いた解析-
Project/Area Number |
11770018
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
平本 正樹 日本大学, 医学部, 助手 (70297828)
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Keywords | 骨髄間質細胞 / 造血微小環境 / ベスナリノン |
Research Abstract |
1.骨髄間質細胞に対するベスナリノンの作用 骨髄間質細胞株LP101から産生されるサイトカインに関して、ELISA法を用いてタンパク質レベルでの測定を行った。IL-6以外のサイトカインは検出感度以下であったため、現時点では薬剤ベスナリノン添加による変化を検討するに至っていない。今後、検出感度を上げて再検討する予定である。またRT-PCR法を用いてRNAレベルでの検討を行った。G-CSFおよびGM-CSFに関してはELISA法同様検出できなかったが、IL-6のほかELISA法では検出できなかったM-CSFおよびTNF-αに関してもRNAレベルでの発現が確認された。あわせてベスナリノン添加による変化も検討した結果、IL-6に関してはわずかながら発現量の増加が認められたが、M-CSFおよびTNF-αに関しては有意差は認められなかった。今後、LP101における接着分子の発現量、転写因子の活性量などに関しても検討を行う予定である。 2.ベスナリノンのターゲット因子(受容体)の同定 従来DNAやタンパク質を固定化し、この結合因子を単離するのに用いられてきたラテックス粒子に、薬剤ベスナリノンを固定化した。これを用いて、骨髄間質細胞株LP101の膜画分からベスナリノンのターゲットとなる結合因子の単離を試みた。この結果、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動上での分子量が約80kDaと70kDaを示す2つのタンパク質が同定できた。競合阻害実験により、これら2つのタンパク質はベスナリノンに特異的に結合することが確認できた。今後、これら2つのタンパク質の大量精製を行い、遺伝子のクローニングを行う予定である。一方、LP101から分泌される分化誘導因子に関しても、顆粒球-単球系前駆細胞株HL60に対する分化誘導活性と、ベスナリノンによる阻害活性を指標にして、LP101培養上清からの分離、同定を検討中である。
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Research Products
(1 results)