1999 Fiscal Year Annual Research Report
発生期における心筋Ca^<2+>チャネルの構造と機能の特徴に関する検討
Project/Area Number |
11770026
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
山田 陽一 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30284996)
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Keywords | ラット / 心筋 / Ca^<2+>チャネル / 発生学 / 電気生理学 / 分子生物学 |
Research Abstract |
ラット胎齢12日目、18日目、成体の心筋からTotal RNAを抽出し、RT-PCR法を用い、ジヒドロピリジン感受性のCa^<2+>チャネルのα_<1c>subunit、βsubunitのクローニングを試みた。α_<1c>subunitに関しては以前に報告されている遺伝子配列とほぼ同様のものが、3つに分かれた状態でクローニングされているが、まだ、全長には至っていない。βsubunitに関しては、文献的にラット心室筋にはβ_<2a>subunitが発現していると考えられるため、報告されている配列を元に、全長を増幅すべくプライマーを設計し、RT-PCRを行ったが、目的とする遺伝子の増幅は得られなかった。そこで、β_<2a>subunitの一部を目的に変更したところ以前の報告と全く同じ遺伝子配列が得られた。それを元に検討したところ、5'側の配列が以前の報告と違う可能性が強まった。そこで、5'RACE法により、5'側の遺伝支配列の決定を試みた。その結果より作成したプライマーを用いRT-PCRを行ったところ、目的とするOpen Reading Frameを含む全長2kbの遺伝子の増幅が得られた。今後、これを元にクローニングを行う予定である。α_2/δsubunitに関しては全長のクローニングに成功している。 Ca^<2+>チャネルのmRNA量が胎生期に時間的にどう変化するかについて検討するための予備実験として、RT-PCR定量をPerkin Elmer社のABI PRISM 7700 systemを用い、対象をクローニングに成功しているergやminKといったK^+channelの遺伝子として行い、少なくとも上記のK^+channelでは、胎生期の心筋から得られる非常に少ないRNA量からでも定量出来ることを確認した。今後この方法を用い、Ca^<2+>チャネルの各subunitのmRNA量について発生学的変化を検討する予定である。
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