1999 Fiscal Year Annual Research Report
分娩、射乳および母性行動発現におけるオキシトシンの役割に関する研究(副題)オキシトシンレセプターの発現調節メカニズム
Project/Area Number |
11770032
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
村田 拓也 福井医科大学, 医学部, 助手 (70281186)
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Keywords | オキシトシンレセプター / エストロゲン / プロゲステロン / ラット / RT-PCR / 子宮 |
Research Abstract |
本研究は、オキシトシンレセプター(OTR)mRNAの発現調節メカニズムの解明することである。我々は、ラットの子宮OTRmRNAは、分娩直前に著増すること、そして、エストロゲンの子宮OTRmRNA発現に対する促進作用について報告した(Liu et al., Journal of Endocrinology 150:479,1996)。現在までに、PGF_<2α>投与により誘導されるラット子宮OTRmRNAの変化を詳細に調べ、内因性のエストロゲンが関与していることを示した。さらに、子宮OTRmRNAにおいて、プロゲステロンはエストロゲンの子宮OTRmRNA発現促進作用を抑制しないとされていたが、プロゲステロンを生理的条件に近い条件で卵巣摘出非妊娠ラットに投与することにより、エストロゲンの子宮OTRmRNAに対する促進効果がプロゲステロンにより抑制されることを明らかにし、報告した(Journal of Endocrinology 発表予定)。 さらに、子宮OTRmRNA発現に対するエストロゲンとプロゲステロンの作用メカニズムを調べるために、エストロゲンレセプター(ER)とプロゲステロンレセプター(PR)のmRNAを定量できる競合的PCR法を確立した。エストロゲンとプロゲステロンで処置した卵巣摘出非妊娠ラットにおけるERとPRのmRNAを測定したところ、一定期間のプロゲステロンの処置により、ERαが減少することがわかった。PRには変化が見られず、また、もう一つのERであるERβは検出感度以下であった。これらの結果より、プロゲステロンの子宮OTRmRNAに対する抑制効果は、ERの出現を抑制し、子宮のエストロゲンに対する感受性を低下させることにより、引き起こされていることが強く示唆された。
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