1999 Fiscal Year Annual Research Report
心臓よりクローン化したcAMP依存性Clチャネル活性のリン酸化状態による制御機構
Project/Area Number |
11770051
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
山崎 純 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (50230397)
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Keywords | プロテインキナーゼA / プロテインキナーゼC / CFTR / 塩素イオン電流 / リン酸化 / 脱リン酸化 / 心臓 |
Research Abstract |
プロテインキナーゼ A(PKA)系ならびにプロテインキナーゼC(PKC)系によるリン酸化を介した心血管系のCl^-チャネルを活性化するメカニズムを、心臓型CFTR(cystic fibrosis transmembraneregulator)を発現させたXenopus卵母細胞を使って明らかにすることを試みた.「結果(1)」心臓型CFTRを発現した卵母細胞では、細胞内cAMP量を増加させる薬物(forskolin,IBMX etc.)によってCl^-電流が惹起された。この性質を持つ細胞で,ホルボールエステルの一つPDBuはPKC依存的に膜電流を増加させた.cAMP刺激で最大限にチャネルを活性化させた場合には、PDBuはそれ以上には活性化させなかった.PDBuの作用はPKA阻害薬であるRp-cAMPSの前処置によって抑制された.以上から、PKCによるCFTR Cl^-チャネルの活性化にはbasalなPKAによる刺激が重要であると考えられた。「結果(2)」脱リン酸化酵素PP1&2Aの阻害剤であるokadaic acid(OA)によってチャネルの活性化が惹起された.この作用はRp-cAMPSを前投与しておくと抑制された.cAMP刺激によるチャネルの活性化からの回復過程をOAの存在あるいは非存在下で調べた結果,OAによって有意に回復過程が延長したが,電流の回復を完全には抑制させることはなかった.以上の結果から,リン酸化と脱リン酸化のターンオーバーがbasalな状態で起きていると思われた.PP1&2AはPKAによるリン酸化の解除に一部役割を有しているが,PP1,2A以外の脱リン酸化酵素の関与も示唆された.
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Research Products
(1 results)