1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11770056
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内島 泰信 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90272426)
|
Keywords | ゴールデンハムスター / IVD / SBCAD / アンドロジェン受容体 |
Research Abstract |
ゴールデンハムスターではハーダー腺の脂質組織に顕著な雌雄差がみられる。これは脂肪酸合成が血中アンドロジェンレベルにより調節された結果と考えられた。そこでアンドロジェン受容体を介して脂肪酸合成が調節される機構を明らかにすることを目的とし、研究を行った。 去勢した雄ハムスターからハーダー腺を得て、分枝鎖プライマーの生成を調節するisovaleryl-CoA dehydrogenase(IVO)及びshort/branched chain acyl-CoA dehydrogenase(SBCAD)の活性及び遺伝子発現量を分析した。また、アンドロジェン受容体(AR)の発現をタンパク質及び遺伝子レベルで解析した。 正常な雄では腺にIVO及びSBCADの活性が認められたが、去勢後2週間を経過した雄では極めて低い値であった。しかしtestosterone enanthate(TE)投与により経時的かつ濃度依存的な酵素活性の増加が認められた。 ラットIVOcDNA配列をもとにプローブを作製し、ノザンブロット分析を行ったところ、IVOmRNA量はTE投与により増加が認められた。 ARについて、腺内における発現を免疫組織化学的に分析したところ、去勢雄では少量の発現しか認められなかったが、TE投与後、経時的に増加するのが観察された。 以上の結果からハーダー腺に見られる脂質組成の雄雌差はアンドロジェンによりIVO及びSBCADの発現が遺伝子レベルで調節された結果生じると考えられ、両酵素の発現調節にARが関与することが示唆された。
|
-
[Publications] 内島泰信 等: "Dexamethasone stabilizes IGFBP-1 mRNA in primary cultures of rat hepatocytes"Endocrine Journal. 46・3. 471-476 (1999)
-
[Publications] 日田安寿美 等: "脂質組成の分析による抗アンドロジェン作用のモニター"脂質生化学研究. 41. 287-290 (1999)