1999 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性進行性ジストニアの発症に関わるビオプテリン生合成調節機構の研究
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11770081
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
大江 瑞恵 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助手 (10247661)
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Keywords | 遺伝性進行性ジストニア / GTPシクロヒドロラーゼ I / テトラヒドロビオプテリン / プロモーター / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
遺伝性進行性ジストニア(HPD)はテトラヒドロビオプテリンを生合成する酵素であるGTPシクロヒドロラーゼ I(GCH)遺伝子の変異により発症する常染色体性劣性遺伝病である。しかしHPDは女性優位に発症し、また翻訳領域に変異が検出されない患者がいる。諸問題を解決する足掛かりとしてGCH遺伝子の発現制御機構について本研究を行った。 ヒトGCH遺伝子の3種の長さの5'上流プロモーター領域にレポーター遺伝子であるクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子を連結させ、マウスの受精卵に導入した。生まれたマウスの尾からゲノムDNAを抽出し、サザンブロット解析を行った。その結果、導入したそれぞれの遺伝子をもつトランスジェニックマウスが作成されていることが確認でき、それぞれ3系統ずつのファウンダーマウスを得ることができた。それらのトランスジェニックマウスについて、脳と末梢器官でのCATの発現をCATエンザイムノアッセイにより解析した。その結果、プロモーターの長さにより、脳でのみ、また脳と末梢器官(主に胸腺、脾臓、p小腸、肺)に発現をしていたマウスや、全身で発現が検出されなかったマウスが観察され、今回行った5'上流プロモーター領域内の組織特異的な発現制御調節領域を調べることができた。さらに強い発現を示していた胸腺などの組織において免疫組織化学染色を行い、内在のGCH陽性細胞と、レポーター遺伝子のCATの発現を比較検討している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Ichinose, H. et al.: "Molecular genetics of dopa-responsive dystonia"Biol. Chem.. Vol.380. 1355-1364 (1999)
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[Publications] Suzuki, T. et al.: "Characterization of wide-type and mutants of recombinant human GTP cyclohydrolase I : relationship to etiology of dopa-responsive dystonia"J.Neurochem.. Vol.73 No6. 2510-2516 (1999)
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[Publications] Inagaki, H. et al.: "Decrease in GTP cyclohydrolase I gene expression caused by inactivation of one allele in hereditary progressive dystonia with marked diumal fluctuation"Biochem. Biophys. Res. Commun.. Vol.260. 747-751 (1999)
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[Publications] Ichinose, H. et al.: "Molecular cloning of the human Nurrl gene : characterization of the human gene and cDNAs"Gene. Vol.230. 233-239 (1999)
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[Publications] Ichinose, H. et al.: "Quantification of mRNA of Tyrosine Hydroxylase"Humana Press (In Press).