1999 Fiscal Year Annual Research Report
初代培養小脳プルキンエ細胞を用いたCAGリピートによる神経細胞変性の解析
Project/Area Number |
11770083
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
田中 敬子 財団法人 大阪バイオサイエンス研究所, 第4研究部, 研究員 (70311313)
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Keywords | ポリグルタミン / 神経変性疾患 / トランスジェニック / 神経突起の退縮 / イオンチャネル |
Research Abstract |
本研究では、CAGリピート病において神経細胞死に先行して起こる神経変性の分子機構を明らかにするため、小脳プルキンエ細胞にGFPとポリグルタミンを発現するマウスを作製し、そのマウスから単離したプルキンエ細胞を使って、分子生物学的、細胞生物学的、電気生理学的解析を行う。 小脳プルキンエ細胞にGFPを発現するマウスの作製に関しては、7-lineを確立することができた。現在そのGFPの発現量を検討中である。 また、tetracyclin off systemによりポリグルタミンを発現するPC12細胞を使って、NGFで分化させた後にポリグルタミン発現誘導を行い、ポリグルタミンによる神経細胞の形態変化、および電気生理学的性質の変化に関して解析を行った。神経細胞の形態を1分ごとに48時間持続して記録し、経時変化を観察したところ、ポリグルタミンにより細胞死に至る前に神経突起の退縮が起こることがわかった。これはすべての突起が一度に退縮するのではなく、一本ずつ徐々に起こった。この機構として、神経突起の退縮を引き起こすことが知られているRho kinaseが関与する可能性が考えられ、これについて現在検討を行っている。電気生理学性質に関しては、分化したPC12細胞で見られる一過性の外向き電流が、ポリグルタミンの発現により見られなくなることがわかった。この外向き電流はカドミウムによって消失するので、Ca^<2+>依存性K^+電流であると考えられる。さらに詳細な解析を行っている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shibuya I et al.: "Prostaglandin E_2 induced Ca^<2+> release from ryanodine/caffeine-sensitive stores in bovine medullary cells via EP1-like receptors"J.Neurochem.. 73. 2167-2174 (1999)
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[Publications] Shibuya. I et al.: "Evidence that multiple P2X purinoceptors are functional expressed in rat supraoptic neurons"J.Physiol.. 514. 351-367 (1999)