1999 Fiscal Year Annual Research Report
原発性胆汁性肝硬変の動物モデルの作製ーMethylene dianilineのマウスの長期投与の検討ー
Project/Area Number |
11770089
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
片柳 和義 金沢大学, 医学部, 助手 (90303271)
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Keywords | 原発性肝汁性肝硬変 / Methylene dianiline / PDC-E2 / 動物モデル |
Research Abstract |
Methylene dianiline(MDA)を用いた原発性胆汁性肝硬変の動物モデルの作製 I.予備実験 1.投与量の決定 肝内外の胆道系上皮に障害を惹起するMDA最小有効量を決定するために,種々の濃度の MDA をマウス(BALB/c,雌,4週齢)に腹腔内投与し,検討した結果,至適投与量は 20.0mg/kg(約 0.4mg/mouse)であることが判明した. 2.ヒトPDC-E2の合成及び精製 米国カリフォルニア大学デービス校 Gershwin 教授より分与されたヒトPDC-E2 のDNAを組み込んだ大腸菌を大量培養して,ヒトPDC-E2を発現させ,種々の操作により精製し,回収した. II.本実験 予備実験で得られた MDA 投与量を BAL/c マウスの(雌,4週齢)を用いて,一年間に渡る実験を遂行中である.MDA は 2カ月毎に腹腔内に投与し,また,ヒトPDC-E2 の免疫は1カ月毎に施行している.コントロール群として,MDA 不投与群,ヒトPDC-E2 の代替としてウシ・アルブミンで免疫した群を設け,具体的には以下の4群に分けて実験を実施している.なお,各グループのマウスは2 カ月毎に数匹ずつ犠死させ,臓器と血清を採取している. グループ1 MDA投与+ヒトPDC-E2免疫 グループ3 MDA不投与+ヒトPDC-E2免疫 グループ2 MDA投与+ウシ・アルブミン免疫 グループ4 MDA不投与+ウシ・アルブミン免疫 さて,本実験開始から約半年の期間が経過したが,現時点までの成果として,ヒト PDC-E2 を免役したグループ群では血清学的にヒトPDC-E2 に対する抗体が100%に頻度で産生されていることが確認された.さらにマウスの PDC-E2に対する自己抗体も半数以上のマウスで出現することが判明した.ただし,肝臓の形態学的観察では MDA の投与により一過性に胆管は障害されるものの,慢性胆管炎が遷延性に持続することは確認されていない.
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Research Products
(1 results)