1999 Fiscal Year Annual Research Report
Class II transactivtor 強制発現による抗腫瘍免疫療法の研究
Project/Area Number |
11770095
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
矢澤 卓也 横浜市立大学, 医学部, 講師 (50251054)
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Keywords | classII transactivator / major histocompatibility complex / 神経内分泌 / 癌 / 抗腫瘍免疫 |
Research Abstract |
1.Class II transactivator(CIITA)を強制発現させたマウス癌細胞を用いた同系マウスを移植実験: RT-PCR法,TA cloning systemを用いてマウスCIITA cDNAをcloningした。これを発現ベクターpZeoSV2に再挿入してマウスCIITA発現ベクターを作製した。次にclass II major histocompatibility complex(MHC-II)の発現がなくMHC-Iの発現も極めて減弱していることを確認しているC3Hマウス由来乳癌細胞を用い,この細胞株にLipofection法により空ベクター及びマウスCIITA発現ベクターを導入し,それぞれのStable transfectant を得た(MM102-pZeo(-),MM102-pZeom(CIITA)。PT-PCR法,Northern法により,MM102-pZeomCIITAにはMHC-IIの発現が見られるようになり,MHC-Iの発現も増強していることが確認された。 2.神経内分泌癌におけるCIITA発現抑制機構の解明: 対象にはヒト肺小細胞癌株(TKB-15),ヒト神経芽細胞腫株(SK-N-DZ),ヒト肺大細胞癌株(TKB-5),及びヒト扁平上皮癌株(TKB-20)を用いた。TKB-15,SK-N-DZはinterferon-gamma(IFN-γ)を添加してもCIITAの誘導が起こらないのに対し,TKB-5,TKB-20は容易にCIITAの誘導が惹起される細胞株である。まずこれらの細胞株からDNAを抽出しCIITA promoter塩基配列をdirect sequence法により検討したが,どの株にも変異は検出されなかった。次に上記癌細胞からRNA,核内タンパクを抽出し,Northern法,Western法によりSTAT-1α,USF-1,USF-2,IRF-1,IRF-2の発現状態につき検討したが,核細胞株間に有意な発現量の差異は認められなかった。またIFN-γ添加によるSTAT-1αのリン酸化の状態についても各細胞株間に有意な差は見られなかった。そこでCIITA prpmoter sequenceをprobeとして各細胞株の核内タンパクを用いたElectrophoretic mobility shift assayを行った結果,TKB-15,SK-N-DZにおいてもgamma activating siteへのSTAT-1αの結合及びE-boxへのUSF-1 homodimerの結合も保たれていることが確認されたが,同時にTKB-15においてはL-Myc/Max heterodimer,SK-N-DZにおいてはN-Myc/Max heterodimerもE-boxに結合していることが明らかとなった。
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