1999 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱癌のcarcinoma in situ(CIS)における遺伝子異常
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11770123
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
一宮 慎吾 札幌医科大学, 医学部, 助手 (30305221)
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Keywords | 膀胱癌 / CIS / integrin beta 3 |
Research Abstract |
(目的)膀胱癌のCISにおける遺伝子的変異を検索することを目的として、現在までに知られている代表的分子種のcDNAを含むcDNA arrayを用い解析を行った。 (方法)単一細胞からcDNA libraryを作成するプロトコールを参照し(Dulac C.、Current Topics of Developmental Biology、36、1998)、トリミングした新鮮凍結切片からcDNAを作成した。これらをアイソトープで標識し、cDNA array blotとハイブリダイゼーションを行った。CIS病変ならび対照としての正常粘膜には、術中迅速診断で用いた尿管断端の凍結切片を用いた。免疫組織化学については、パラフィン切片を用いて通常行われている方法で検討した。 (結果と考案)CISおよび正常粘膜をプローブとしたオートラジオグラフィーのフィルムを比較検討した結果、CISにおいてintegrin beta 3の発現が低下していた。免疫組織化学的検討にても、integrin beta 3の発現に差が認められ、正常粘膜ではintegrin beta 3は傘細胞に発現が強い傾向が認められた。今後は、integrin beta 3のdown-regulationが腫瘍化に際しどのように関与しているのか検証したい。また、PCR法で得られたcDNAをプローブとして用いているため、バイアスがかることが予想されたが、normalizationによりcDNAの均一化を行い、CISにおける他の遺伝子変異についても明らかにして行きたい。
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