2000 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニックリーシュマニアでの細胞表在性および分泌型蛋白質の発現
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11770134
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
河津 信一郎 国立国際医療センター, 研究所, 室長 (60312295)
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Keywords | 原虫 / リーシュマニア / ワクチン / DDS |
Research Abstract |
本研究では、原虫組換え体ワクチンの開発上必要不可欠となる原虫用遺伝子発現ベクターの改良を試み、細胞表在性あるいは分泌型の蛋白質として外来遺伝子が発現可能なプラスミドベクターを開発することを目的とする。持続感染による免疫が防御の主体となる原虫病では、細菌・ウイルスでの発現系を利用した組換え体ワクチンに満足のゆく効果が認められていない。このことから、対象となる原虫自体を運び手(Vehicle)として目的とする抗原を本来の感染プロセスを通じて、効率的に宿主に提示する技術(Delivery system)の開発が原虫病ワクチン開発の鍵とされている。本年度は、細胞表在性分子として外来蛋白質を発現可能な系を構築する目的で、リーシュマニアの表在性Zn-プロテアーゼ(gp63)とのキメラ蛋白質として目的分子が発現されるように、リーシュマニア用発現ベクター(p6.5)を改良した。gp63N末端のSignal配列およびC末端のGlycophosphatidylinositol(GPI)anchor acceptor配列に対応する遺伝子断片を、p6.5の外来遺伝子挿入部位(expression site)に挿入し、外来遺伝子がgp63のSignal配列とGPI anchor acceptor配列との間に挟まれて発現されるようにした(p6.5SE)。次に、p6.5SEを用いてGreen Fluorescent Protein(GFP)の発現を試みた。共焦点蛍光顕微鏡での観察の結果、プラスミド(p6.5SE-GFP)導入原虫では、細胞質内の膜系でGFPの発現が認められた。GFPの発現は原虫細胞表面でも、微量ではあったが、確認できた。
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[Publications] 河津信一郎: "現代の人獣共通感染症と獣医師の新たな役割"東獣ジャーナル. 421. 18-22 (2001)
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[Publications] Hatabu,T. et al.: "The expression of biologically active canine interleukin-8 in Leishmania promastigates : anovel eukaryotic expression viecle"parasito.l. Iut.. (印刷中).