1999 Fiscal Year Annual Research Report
PCRランダム変異法による緑膿菌サイトトキシンの構造と機能に関する研究
Project/Area Number |
11770136
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
大西 真 信州大学, 医学部, 助手 (10233214)
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Keywords | 緑膿菌 / 細胞毒素 / PCR変異法 |
Research Abstract |
PCRランダム変異法によりランダム変異毒素遺伝子のライブラリーを作製した。ラット赤血球を用いた溶血活性測定によるスクリーニングの結果、1144クローン中73クローン(6.4%)の活性が低下した変異毒素を得ることができた。これらのクローンが本毒素毒素遺伝子を持つことは本毒素特異的PCR法で確認した。さらにウェスタン法により毒素を発現していることも確認した。これら73クローンの毒素遺伝子の塩基配列決定を行った。予備実験で得られていた10種類の溶血活性が無い1アミノ酸置換変異毒素と併せてこれまでに44種類の変異毒素を得ることができた。 変異毒素の定量化のために、毒素N末端領域に対する9アミノ酸残基から成るペプチドを合成し、ペプチド抗体の作成を試みた。得られたペプチド抗体は、本毒素に対しての充分な感受性と特異性を持つことが明かとなった。得られたペプチド抗体と精製活性型毒素を標準として利用し、7500倍希釈した抗ペプチド抗体を一次抗体として使用することにより精製野生型活性型毒素の12.5-100μg/mlをウエスタン法で定量化することが示された。 まず、パイロット実験として2種類の変異毒素の性状を解析した。ΔC20Q181RおよびΔC20H201Rの比活性は野生型であるΔC20WTのそれぞれ1.5倍および179倍以上低下していることが示された。ΔC20H201Rでは標的細胞膜結合能が著しく低下している可能性を示唆する知見を得た。
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