2000 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内寄生菌に対するDNAワクチンの開発-Th細胞誘導型DNAワクチンによる感染防御免疫の誘導-
Project/Area Number |
11770137
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
吉田 篤司 琉球大学, 医学部, 助手 (10242778)
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Keywords | DNAワクチン / 細胞内寄生菌 / 細胞性免疫 / Th1細胞 / サイトカイン |
Research Abstract |
我々はマウスのリステリア感染系を用い種々のキラーT細泡(CTL)及び1型ヘルパーT細胞(Th1)誘導型ミニジーンDNAワクチンを作製しその生体防御誘導能について調べてきた。CTL誘導型ミニジーンDNAワクチンはIFN-γを産生するCD8陽性の特異的T細胞を誘導し、これは感染防御に有効に働いた。しかし、Th1誘導型ミニジーンDNAワクチンはシグナルペプチドを付加するなどの装飾をしても有効な生体防御及び特異的T細胞を誘導し得なかった。Th1誘導型DNAワクチンの場合、抗原は外来抗原として取り込まれなけばならないため、ペプチドは一旦細胞外に分泌される必要があるが、ミニジーンDNAワクチンで産生されるぺプチドはわずか12アミノ酸よりなるもので細胞外での安定性を欠く恐れがある。また、これは極めて低分子であるため抗原提示細胞(APC)に取り込まれ難かったり、取り込み後のMHC dass II分子への結合に障害を与える可能性もある。そこで本研究では、高分子蛋白との融合による安定性増強と、高分子サイトカインとの融合による抗原ペプチドの効果的なAPCへのデリバリーの影響について検討した。1.リステリア抗原p60のdass II(H-2Ad)結合Thエピトープ301-312ペプチドをOVA、GM-CSF及びFlt-3リガンドとの融合蛋白として発現するTh1誘導型DNAワクチンを作製した。2.これらのDNAワクチンをC3Hマウスの耳朶に接種しエピダーマルレイヤーの樹状細胞をCD11c及びMHC dass II抗体で染色し、その増減を調べたがこれら接種による量的及び質的変化は認められなかった。またこれらを前頸骨筋および大腿二頭筋に接種し鼠徑リンパ節の樹状細胞を同様に調べたが結果は同じだった。3.これらのDNAワクチンを前頸骨筋および大腿二頭筋に接種したC3Hマウスの脾細胞を抗原ペプチドで試験管内再刺激し48時間後に上清中のIFN-γを測定したところ、高分子蛋白融合DNAワクチン接種マウスではエピトープのみものより若干(1.5-2倍)高いのIFN-γ産生が認めたれた。しかし、サイトカイン融合による効果的なAPCへのデリバリーの影響はみられなかった。〈結論〉抗原ペプチドの高分子蛋白との融合により安定性が増しTh1細胞誘導能が高まったものと考えられる。しかしサイトカインとの融合による抗原ペプチドの効果的なAPCへのデリバリーの影響は認められなかった。
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[Publications] Yukio Koide: "DNA vaccines."Jpn J Pharmacol.. 83(3). 167-174 (2000)
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[Publications] Atsushi Yoshida: "Advantage of gene gun-mediated over intramuscular inoculation of plasmid DNA vaccine in reproducible induction of specific immune"Vaccine. 18(17). 1725-1729 (2000)
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[Publications] Yukio Koide: "DNA vaccines for infections with intracellular bacteria."Nippon Saikingaku Zasshi. 54(4). 773-793 (1999)
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[Publications] Toshi Nagata: "Codon optimization effect on translational efficiency of DNAvaccine in mammalian cells : analysis of plasmid DNA encoding aCTL epitope derived"Biochem Biophys Res Commun. 261(2). 445-451 (1999)