1999 Fiscal Year Annual Research Report
サルモネラのマクロファージ抵抗性に関与するslyA遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
11770146
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
川上 貴敏 北里大学, 薬学部, 助手 (40280622)
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Keywords | slyA遺伝子 |
Research Abstract |
サルモネラのslyA遺伝子の標的遺伝子をクローニングするため2つの方法(1)蛋白質-DNA相互作用を利用したアプローチおよび(2)遺伝学的アプローチを計画し、先ず(1)(2)において共通材料であるslyA-His融合遺伝子の構築とサルモネラの染色体DNAの調製を行った。またslyA-His遺伝子の誘導発現系を作製するため、slyA-His遺伝子をlac promoterの下流に連結したプラスミドを構築した。染色体DNAはSalmonella Typhimurium SR11株より抽出し、制限酵素Sau3AIにて部分消化した後、ショ糖密度勾配遠心分離によるサイズ分画を行い調製した。これらの方法(1)(2)の基本材料とし、実験を行った。方法(1)では、上述のプラスミドで形質転換した大腸菌を大量培養(5l)し、IPTG誘導によりSlyA-Hisを発現させ、その大腸菌を8M尿素で溶解し可溶性画分を得た。これをHis bind resinを用いたaffinity chromatographyにて精製し、さらに透析を行い、最終的に純度95%以上のSlyA-Hisを200μg得た。この蛋白質とサルモネラ染色体DNA断片(1kb以下)をin vitroで反応させ、SlyAと結合するDNA断片のスクリーニングを行った。SlyAと結合するDNA断片の存在はアガロース電気泳動にて確認した。その結果、大きさの異なる幾つかのDNA断片の存在が確認された。現在、それらのDNA断片をpSKベクターに組み込み、塩基配列を解読している。 一方、方法(2)ではlac promoterに連結したslyA-His遺伝子をSR11株野生株に導入し相同組換えを行わせ、発現誘導可能なslyA遺伝子が組み込まれたサルモネラ組換え体を得た。またサルモネラ染色体DNA断片をlacZ遺伝子上流に連結させたレポータープラスミドを構築し、上述の組換え体に導入した。現在、IPTG誘導でSlyAHisを発現させ、さらに基質X-gal存在下で青コロニーとして出現する組換え体をスクリーニング中(母集団10万クローン)である。
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