2000 Fiscal Year Annual Research Report
BMK1は細菌内毒素によるBリンパ球活性化を制御する
Project/Area Number |
11770148
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
加藤 豊 愛知医科大学, 医学部, 講師 (40267985)
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Keywords | 細菌内毒素 / BMK1 / MAPキナーゼ / 自己免疫疾患 / B1リンパ球 |
Research Abstract |
全身性ループスなどの膠原病は、Bリンパ球による自己抗体の異常産生に起因するが、そのメカニズムおよび治療法はまだ明らかになっていない。われわれは、強いアジュバント活性を持つ細菌内毒素が、自己免疫疾患に重要な働きをもっていることをマウスを使った実験モデルで示してきた。今回、分子レベルで、どのようなメカニズムでBリンパ球の活性化が起こるのかをB1リンパ球TH252を使用して検討した。TH252は細菌内毒素に暴露されると細胞増殖し、IgM抗体を産生する。その結果、以下のことが明らかとなった。 1)B1リンパ球は細胞表面にCD14分子を持っており、CD14を介して細菌内毒素を認識する。2)細菌内毒素を認識することによって、B1リンパ球内のMAPキナーゼが活性化する3)B1リンパ球は細菌内毒素によって活性化されると、細胞増殖と抗体産生を開始する。3)その際、核内の初期応答遺伝子c-jun遺伝子が活性化されるが、それにはBMK1が重要な働きをしている。4)c-jun遺伝子の産物であるc-Junは細胞の増殖、サイトカイン産生などにかかわる、さまざまな遺伝子群を制御している。 以上のことから、MAPキナーゼBMK1は初期応答遺伝子c-junの活性化を制御することによって、B1リンパ球の増殖に重要な働きをしていると考えらる。BMK1経路をターゲットとした選択的免疫抑制剤による自己免疫疾患の治療の可能性も考えられる。
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[Publications] Kato Y. et al: "Big mitogen-activated kinase regulates multiple members of the"J Biol Chem.. 275(24). 18534-40 (2000)
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[Publications] Kato Y. et al: "Role of BMK1 in regulation of growth factor-induced cellular"Immunol Res.. 21(2-3). 233-7 (2000)