1999 Fiscal Year Annual Research Report
NK細胞,NKT細胞,及び腸管上皮内T細胞分化成熟におけるIL-15の役割
Project/Area Number |
11770173
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
樗木 俊聡 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50233200)
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Keywords | IRF-1 / IL-15 / NK細胞 / NKT細胞 / 腸管上皮内T細胞 / bcl-2 / 分化・増殖 |
Research Abstract |
転写因子IRF-1はIL-15の発現調節を介してNK細胞,NKT細胞,及び腸管上皮内T細胞の分化・増殖を調節している。IL-15の具体的な役割を明らかにするためIRF-1^<-1->マウスから上記リンパ球サブセットを採取し、アポトーシス抑制遺伝子bcl-2の発現レベルを抗bcl-2抗体を用いた細胞内染色及びFACS解析によりコントロールマウスと比較した。その結果、IRF-1^<-1->マウスの腸管上皮内T細胞、特にTCRγδ^+型のT細胞内のbcl-2の発現がコントロールマウスに比べ大幅に低下していた。一方、IRF-1^<-1->マウスのNK細胞、NKT細胞内のbcl-2の発現はコントロールマウスとほぼ同程度であった。興味深いことに、IRF-1^<-1->マウスの腸管上皮内T細胞をIL-15の存在化で5日間培養することにより、TCRγδ^+型細胞の選択的増殖と細胞内bcl-2レベルの正常化が観察された。IL-15はbcl-2の発現レベルを維持することにより腸管TCRγδ^+型細胞の分化・増殖を誘導することが示唆された。 また、bcl-2を過剰発現させたbcl-2トランスジェニックマウスとIRF-1ノックアウトマウスを交配させる事により、bcl-2を過剰発現させたIRF-1ノックアウトマウスを作製し、PCR法により遺伝子型を決定した。現在、bcl-2を過剰発現により、特に腸管上皮内TCRγδ^+型のT細胞の分化が回復されるか検討中である。
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Research Products
(1 results)