2000 Fiscal Year Annual Research Report
「インフルエンザによる超過死亡」の算定方法に関する検討
Project/Area Number |
11770186
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
高橋 美保子 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (50255121)
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Keywords | インフルエンザ / 超過死亡 / 疫学 / 推定方法 / 年齢階級別死亡 / 死因別死亡 |
Research Abstract |
平成11年度には、これまでに報告されているインフルエンザによる超過死亡の推定方法について、その問題点を整理し、検討した結果から「新しい超過死亡の定義とその推定方法」を提案した。 平成12年度には次の2つの課題に取り組んだ。 1.提案した新しい方法を用いて、1975〜1997年の23年間の超過死亡を推定し、その結果を従来の方法と比較した。 ここでは、まず、本方法を用いることにより、インフルエンザ流行月の判定基準として具体的な指標値(インフルエンザ死亡率のカットオフ値)の一つを提案することができた。次に、この判定基準を用いて総死亡および肺炎死亡について超過死亡を推定し、最近23年間の超過死亡の現状を明らかにした。さらに、この結果(解析の各過程ごとに得られた結果)を従来の方法と比較することによって、新しい方法の利点、特長を指摘した。 2.さらに、新しい方法を用いて、1975〜1999年の25年間の超過死亡について詳細な検討を行った。ここでは、主として高齢者に着目し、高齢者におけるインフルエンザの健康影響を評価することを目的とした。 その結果、まず、最近25年間に起こったインフルエンザによる超過死亡の大部分が高齢者の死亡の増加に起因するものであったことを示すことができた。また、インフルエンザの流行により、肺炎、心疾患、脳血管疾患、糖尿病等の死因別死亡に超過死亡が起こったことを示すことができた。これらの結果から、高齢者、および慢性の肺・心疾患あるいは代謝疾患等を有する者の保健問題としてのインフルエンザ対策の重要性を指摘した。
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