1999 Fiscal Year Annual Research Report
スギ花粉症の発症要因、および重症化要因に関する疫学研究
Project/Area Number |
11770201
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
大木 いずみ 自治医科大学, 医学部, 助手 (50296092)
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Keywords | スギ花粉症 / 有病率 / 危険因子 / 全国調査 / 3歳児健康診査 / 環境要因 |
Research Abstract |
スギ花粉症の有病率を明らかにし、発症の憎悪要因や背景となる素因を解明する目的で、全国10府県において3歳児健康診査受診者の両親を対象に調査を行った。はじめに、保健所から市町村に調査を依頼し、担当者に同じ方法で実施できるよう、実際の調査のスケジュールや方法のマニュアルを検討し作成した。また、調査票の内容を検討して、両親の年齢、スギ花粉症の症状の有無、月別・時間帯別・日常生活場面別症状出現状況、重症度(日常生活、社会生活に及ぼす影響)、症状軽快手段について質問項目を設けた。また生活環境(住居環境、室内環境)、母親については本人のその他のアレルギー疾患の有無や、実の両親のアレルギー疾患の有無についても質問した。調査方法を統一するために、調査期間を設定し受診予定者、実際の受診者、調査協力者の人数を把握するようにした。調査票は前もって「健診のお知らせ」とともに郵送し、記入の上当日受診会場に持参するようにした。また、受診会場で記入もれや、調査票を忘れた人のために記入するよう準備し、その場で調査票を完成してもらった。各市町村から回収された調査票は、連番と市町村番号を登録した後、コード化しコンピュータに入力した。最後に矛盾回答などのチェックを行いデータを決定した。 結果として、男3768人(受診者の94.2%)、女3851人(受診者の96.2%)の情報を得た。「くしゃみ、鼻水、鼻づまりの3症状すべてあり、かつ症状が2月から5月のいずれかの月で出現する」と答えた者を本研究で「スギ花粉症あり」と定義し有病率を求めた結果、男4.8%、女6.5%で、すべての府県で、女が男より高かった。また、年齢階級別には30〜34歳で最も高かった。有病率の地域差、発症と環境要因や遺伝要因など危険因子の解明については来年度解析を行う予定である。
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Research Products
(1 results)