1999 Fiscal Year Annual Research Report
勤労者における環境タバコ煙暴露とシックビルディング症候群
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11770214
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
溝上 哲也 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助手 (60269074)
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Keywords | シックビルディング症候群 / 環境タバコ煙 / 職域 / 質問票 |
Research Abstract |
多彩な不定愁訴によって特徴づけられるシックビルディング症候群と、依然日本の職場で多くみられる受動喫煙との関連を疫学的に明らかにすること主目的とした。今年度は、そのための日本語版調査票の開発およびその評価のため、北欧を中心に頻用されているシックビルディング症候群および室内環境についての質問票を翻訳し、そのテスト版を用いて事務職員数名にプレテストを実施した。被検者の意見などにより、不適切な用語を修正した。質問票の再現性および症状出現の季節変動を検討するため、室内で大半を過ごす事務職員100数名の協力を得て、1999年8月より今年3月までに計4回(夏期、その1ヶ月後、秋期、冬季)の繰り返し調査を実施した。調査票の回収率は100%である。なお、実施に当たっては、北欧の研究機関に出向き、調査手順についてのレビューを受け、いくつかの点について具体的な改善提案を受けた。予備的な解析では、ビルのタイプ(窓が開閉可能かどうか)や季節によって、症状の出現頻度や、症状のパターンに特徴がみられることが伺われた。次年度は、まず春期の調査を実施し、この1年間分のデータを整理・電算入力・集計する。その後、この調査票の開発者であり、かつ現場で多くの調査実績を持つ北欧の研究者とともに季節変動について解析・検討する予定である。またこの調査票を用い、職場受動喫煙とシックビルディング症候群との関連性を検討するため、過去の調査データを再解析し、また自治体の協力を得て、新たな調査を企画・実施する予定である。
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