1999 Fiscal Year Annual Research Report
老人施設に勤務する介護職員の生体負担とその要因の分析
Project/Area Number |
11770218
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Research Institution | Ube Frontier University Junior College |
Principal Investigator |
涌井 忠昭 宇部短期大学, 家政学科, 教授 (40220850)
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Keywords | 老人施設 / 介護職員 / 生体負担 |
Research Abstract |
【目的】本研究は老人施設に勤務する介護職員の日勤時の生体負担とその要因を明らかにすることを目的とした。 【対象および方法】山口県内のA特別養護老人ホームに勤務する寮母6名を対象とした。介護業務内容はタイムスタディ法により検者が調査し,心拍数,歩数,エネルギー消費量および上肢の前傾角度を測定した。エネルギー消費量は,あらかじめ対象ごとに測定し心拍数-酸素摂取量関係式に日勤時の心拍数を代入して酸素摂取量を求めカロリー(kcal)に換算した。上肢の前傾角度は作業姿勢モニターを用いて測定した。測定は1999年12月から2000年1月の間に行った。 【結果】平均勤務時間は565±7分であり,平均実労働時間は465±15分であった。介護業務別では「身の回りの世話」が252±22分,54.2±4.3%と最も多かった。平均心拍数および最高心拍数に対する割合は,96±8拍/分,49.4±4.0%であった。介護業務別では「施設管理」が101±7拍/分,51.8±3.2%と最も高かった。実歩数は平均で13707±1559歩であった。エネルギー消費量は平均で1746±485kcalであり,エネルギー消費量を体重と実労働時間で除した体重1kg当たり,1分間当たりのエネルギー消費量(以下,作業強度)は平均で0.0656±0.0128kcal/kg/分であった。介護業務別では「身の回りの世話」が961±338kcalと最も多かったが,作業強度は「施設管理」が0.0751±0.0166kcal/kg/分と最も高かった。上肢の前傾角度の最大は平均で121°であり,平均前傾角度は28°であった。 【まとめ】特養に勤務する介護職員の日勤時の心拍数およびエネルギー消費量は高く,介護職員と同様に対人援助を行う看護婦^<1)>および保母^<2)>より高いことが明らかとなった。 【文献】 1)藤原志朗(1992)看護労働における交代制勤務と生体負担.産業医学34,225-235. 2)鳥岡みどり他(1985)保母の1日及び労働中の消費エネルギー量について.総合保健体育科学8,115-128.
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