2000 Fiscal Year Annual Research Report
介護保険制度導入が在宅ケアを受ける高齢者とその介護者に及ぼす影響の経時的検討
Project/Area Number |
11770221
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
石崎 達郎 (財)東京都老人総合研究所, 疫学部門, 研究員 (30246045)
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Keywords | 在宅ケア / 介護保険制度 / 要介護高齢者 / 在宅福祉サービス |
Research Abstract |
本研究の目的は、在宅要介護老人とその介護者を対象に、介護保険制度施行前後において、対象者の状況や在宅支援サービス利用状況などに変化が認められるかどうかを追跡調査によって検討することである。平成11年度の初回調査対象者(訪問看護ステーションからサービスを受けている患者とその家族40組)のうち、初回調査への参加者は21組であった。このうち、第1回追跡調査(平成12年9月)で回答が得られた者は17組であった。 被介護者のADLレベルは、厚生省自立度判定基準によると、A2:1名、B1:2名、B2:6名、C1:4名、C2:4名と、17名中16名が「寝たきり」状態にあった。8ヶ月間のADLレベルの変化は、B1からB2に低下した者1名以外には変化は認められなかった。一方、介護者の身体的状況についても、大きな変化は報告されなかった。 サービス利用に関する変化に関しては、デイサービス、ホームヘルパー、入浴サービスのいずれにおいても、第1回追跡調査の時点では、半数以上の者では利用に大きな変化は認められなかった。具体的には、介護保険制度施行前に各サービスを利用していなかった者(デイサービス:11名、ホームヘルパー:14名、入浴サービス:10名)のうち、制度施行後もサービスを利用していなかった者は、デイサービス9名、ホームヘルパー9名、入浴サービス8名であった。一方、介護保険制度施行後にサービス利用を開始した者は、ホームヘルパーで5名と最も多く、デイサービスや入浴サービスではそれぞれ2名であった。 研究代表者は平成12年10月に京都大学へ異動となるため、異動後に再度追跡調査を実施した後に、最終的な検討を実施する予定である。
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