1999 Fiscal Year Annual Research Report
住居環境中ホルムアルデヒド曝露における体内吸収量の評価方法の開発
Project/Area Number |
11770222
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
吉田 俊明 大阪府立公衆衛生研究所, 労働衛生部, 主任研究員 (00201856)
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Keywords | 高速液体クロマトグラフィー / ヘモグロビン / 住居環境 / ホルムアルデヒド / 曝露量 / 吸収量 |
Research Abstract |
現在、体内に吸収されたホルムアルデヒドをモニタリングするための有用な生物学的な指標はなく、住居環境中での曝露濃度レベルにおけるヒトでのホルムアルデヒド吸収量に関する研究はほとんど行われていない。本研究では、その吸収量を評価するための生物学的指標を確立することを目的とし、ホルムアルデヒドまたはその代謝物とヘモグロビンとの結合物に着目した。 今年度は、当初の研究計画を変更し、まず、ホルムアルデヒド曝露濃度の簡易で正確な測定方法を確立した。トリエタノールアミンを含浸したシリカゲルを多孔性のPTFE製チューブに充填した市販のパッシブサンプラーを被験者の胸元に装着し、呼吸域における空気中ホルムアルデヒドを24時間捕集した。捕集後取り出したシリカゲルに0.5M-りん酸を加えてホルムアルデヒドを抽出し、2,4-ジニトロフェニールヒドラジンのアセトニトリル溶液を加えてホルムアルデヒドのヒドラゾン誘導体を形成し、逆相系カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーにより定量した。ホルムアルデヒドは曝露濃度1〜約200ppb(v/v)において定量可能であった。ホルムアルデヒドの捕集から分析操作を含めた変動係数は、試験された全濃度において5%以下であった。また、ホルムアルデヒドを捕集したパッシブサンプラーは4℃遮光保存で1ヶ月間は安定であった。本法は、従来より用いられている定量方法の問題点を解決する簡易で再現性の良い分析法であり、曝露濃度の測定に十分適用できるものと考えられた。 来年度、ホルムアルデヒド曝露により形成されるホルムアルデヒド-ヘモグロビン結合物(Hb-Adducts)を同定し、ホルムアルデヒド曝露量とHb-Adducts形成量との関係について調べる。
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Research Products
(1 results)