2000 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌撹乱物質である有機塩素系農薬の残留が認められる生薬の免疫系に及ぼす影響
Project/Area Number |
11770223
|
Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
梶村 計志 大阪府立公衆衛生研究所, 薬事指導部, 主任研究員 (40250336)
|
Keywords | 内分泌撹乱物質 / 有機塩素系農薬 / 生薬 / 薬用人参 / リンパ球芽球化反応 |
Research Abstract |
前年度における調査から生薬の中でも特に薬用人参(Panax ginseng)中に高濃度のBHC,DDTが残留していることが明らかとなった。今年度は、BHC,DDTが残留している薬用人参の免疫系に及ぼす影響について検討した。 1:BHC、DDTが残留している薬用人参の細胞性免疫に及ぼす影響 マウス(C3H/HeN系,10週令,雄)脾臓リンパ球のLipopolysaccharide(LPS)およびConcanavalinA(ConA)による芽球化反応に及ぼす影響を指標として検討した。 (1)in vitroにおける影響 in vitroにおける影響について検討したところ、CoAによる芽球化反応が抑制された。LPSによる芽球化反応に対しては影響を及ぼさなかった。 (2)in vivoにおける影響 短期間投与(5日間連続投与)群、長期間投与(30日間連続投与)群に分けて検討した。短期間投与群のマウスではLPSによる芽球化反応が若干抑制された。一方、長期間投与群のマウスではLPSおよびCoAによる芽球化反応が抑制された。 2:BHC、DDTが残留している薬用人参の液性免疫に及ぼす影響 マウス(C3H/HeN系,10週令,雄)脾臓培養細胞系における抗DNP-IgM抗体産生能に及ぼす影響を指標として検討した。 (1)in vitroにおける影響 in vitroにおける影響について検討したところ、IgM抗体産生能に対する影響は認められなかった。 (2)in vivoにおける影響 短期間投与(5日間連続投与)群、長期間投与(30日間連続投与)群に分けて検討した。短期間投与では、マウスのIgM抗体産生能に対してほとんど影響を及ぼさなかった。しかし、長期間にわたり連続投与した場合、マウスのIgM抗体産生能が抑制された。
|
-
[Publications] Yoshikazu Sakagami: "Inhibitory Effect of Clove Extract on Vero-Toxin Production by Enterohemorrhagic escherichia coli O157:H7"Biocontrol Science. 5(1). 47-49 (2000)
-
[Publications] Yoshikazu Sakagami: "Electron-microscopic Study of the Bactericidal Effect of OPB-2045, a New Disinfectant Produced from Biguanide Group Compounds, Against Methicillin-resistant Staphylococcus aureus"J.Pharm.Pharmacol.. 52. 1547-1552 (2000)