2000 Fiscal Year Annual Research Report
エタノールおよびアセトアルデヒドが脳のセロトニン受容体発現に与える影響の検討
Project/Area Number |
11770232
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
木下 博之 香川医科大学, 医学部, 助手 (00284357)
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Keywords | エタノール / アセトアルデヒド / コルチコステロン / 海馬 / セロトニン / 5HT-1A受容体 / 5HT-4受容体 |
Research Abstract |
昨年度の実験では、神経ペプチドY(NPY)の視床下部での発現がエタノール(EtOH)投与により低下することを明らかにした。NPYはセロトニン(5-HT)との関連が報告されているが、5-HT受容体の発現については明確な結果が得られなかった。そこで、今年度は新しく作成した5-HT1Aおよび5-HT4受容体のプローブを用いて、エタノールの1回投与、間欠的投与、連続投与のそれぞれの場合の海馬における5-HT受容体の発現についてin situハイブリダイゼーションにて検討した。 EtOH投与後4時間で試料を採取した急性投与実験において、海馬での5-HT1Aおよび5-HT4受容体の発現に有意な変化を認めなかったことから、EtOHおよびアセトアルデヒド(AcH)の急性作用に5-HT受容体の発現変化が関与している可能性は低いと考えられる。 シアナマイド(CY:アルデヒド脱水素酵素阻害剤)およびEtOHを1日1回、5日間投与した間欠投与実験では、EtOH,CYを単独および併用投与した群とも血中コルチコステロン(CORT)濃度は有意に上昇した。5-HT1A mRNA発現はCY単独群、EtOH単独群およびEtOH+CY群でコントロールに比較してそれぞれ有意に減少した。5-HT4mRNA発現はEtOH+CY群において有意に増加した。これらのことからEtOHの代謝物AcHも5-HT受容体の変化に関与していることが示唆される。 EtOHを1日3回、5日間胃内投与した連続投与実験では、EtOH投与群でCORT濃度が有意に上昇した。5-HT1AmRNA発現は有意に減少し、5-HT4mRNA発現は有意な変化を認めなかった。これまでの報告なども勘案すると、CORT濃度が比較的長期間高濃度を持続することにより5-HT1A受容体の発現抑制が生じている可能性が示唆され、今後さらに検討を進める予定である。
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Research Products
(1 results)