1999 Fiscal Year Annual Research Report
骨・歯牙固有硬組織・血液型物質の局在:培養腫瘍細胞を利用した免疫組織化学的検討
Project/Area Number |
11770235
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
中山 友美 岩手医科大学, 医学部, 助手 (10295967)
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Keywords | ABO式血液型物質 / 骨 / 歯牙 / MBA-MB細胞 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
これまでに歯牙におけるABO式血液型物質の分布について検討し、次のような知見を得た。 1.担架蛋白および脂質の免疫化学的検出 歯髄と象牙芽細胞層を含む象牙質、細胞成分を一切含まない固有象牙質および歯牙から摘出された歯髄を各々粉砕し、クロロホルム-メタノール-水の混合溶媒および0.5M EDTA+4M塩酸グアニジンの脱灰液により、組織中に含まれる脂質および蛋白質を抽出した。これらをHPTLCプレ-トおよびニトロセルロースメンブレンにスポットし、モノクロナール抗A、B、H抗体によりABO式血液型担荷脂質および担架蛋白を検出した。その結果、歯髄のみの試料および、歯髄と象牙芽細胞層を含む象牙質から抽出された脂質からABO式血液型物質が検出された。従って、歯牙におけるABO式血液型物質は細胞膜に分布することが示唆された。 2.MBA-MB細胞を介した硬組織表面の観察 ガラス板に播いたMBA-MB細胞を免疫染色し、走査型レーザー顕微鏡で検討したところ、B型の血液型物質を検出した。また、薄切した骨および歯牙に対する細胞の接着性を観察したところ、IV型コラーゲンをコートした骨に対しては接着性を示したが、歯牙に対する接着性は低かった。 以上の研究結果から今後、骨組織内におけるABO式血液型物質の分布を歯牙と同様の手技により明らかにし、血液型がAおよびO型の解剖死体より得た骨を用いてMBA-MB細胞を介した免疫組織学的検出を試みたい。
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