1999 Fiscal Year Annual Research Report
病原真菌の病原性に関する分子生物学的解析とその治療ターゲット分子としての可能性:Candida albicans Δ5,6-desaturase の病原因子としての意義
Project/Area Number |
11770245
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
宮崎 義継 長崎大学, 医学部・附属病院, 講師 (00311861)
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Keywords | ERG3 / Candida / desaturase / エルゴステロール |
Research Abstract |
Candida albicansにおけるエルゴステロール生成系の酵素であるdelta-5,6-desaturase(5,6-DS)が、真菌ステロールに与える影響を病原性としての側面から解析することが本研究の目的である。以下の結果を得ている。 (1)われわれはクローニングした、5,6-DSをコードするERG3遺伝子のシークエンスを行ない、野性株と変異株で比較した。変異株ではERG3の一方のalleleは途中にストップコドン(TAG)がみられ、他のalleleは3つのアミノ酸変異をもたらす遺伝子変異がみられた。この結果から、5,6-DS活性にとって重要なアミノ酸が推測された。 (2)ERG3遺伝子のORF(open reading frame)とflonking sequenceを含むプラスミドpCADSをtemplateとして、約1.5kb ORFのうち1kbがdeleteされるような、ORFの3'末端と5'末端のそれぞれを約500bpのfragmentとしてPCRにより増幅した。この両fragmentの中間に、マーカーとしてURA3遺伝子を挿入した。これをpCADSdlとした。環状プラスミドであるpCADSdlをヴェクター部分で切断されるように制限酵素処理をして線状にした後、5,6-DS野生型のC.albicansのtransformを行なった。約200コロニーのtransfomantを得て、その中からERG3遺伝子座の1つがdeletionされたERG3 hetero-deletantをスクリーニングした。さらに、同様の方法を用いて残りの一つのERG3遺伝子をdeletionすることを試みている。
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