2000 Fiscal Year Annual Research Report
全身性エリテマトーデスにおける精神・神経障害発生機序の解明:HLA DR分子と親和性を持つ神経カドヘリンペプチドの解析
Project/Area Number |
11770247
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
大久保 光夫 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (40260781)
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Keywords | SLE / HLA |
Research Abstract |
[背景]全身性エリテマトーデスは多彩な全身症状を呈する臓器非特異的な自己免疫疾患である。本疾患の予後を悪化させる特別な病態として重篤な神経・精神症状を呈するSLE:CNSループスが存在するが,その病因解明は遅れている。American College of Rheumatologyから新に提出されたneuropsychiatric syndrome of SLE(NPSLE)nomenclatureに基づいて診断された患者のHLAを解析した。[方法]対象はNPSLE16名と健常人138名である。HLAのタイピングはHLA-Aと-Bはlymphocyte microcytotoxicity法でHLA-DRとDQはPCR-SSCP法でhigh resolutionレベルまで決定した。[結果]アリル頻度を『患者VS健常人』として示す。HLA-A24:50%vs60.1%、B39:0%vs6.5%、HLA-DRB1^*1501:6.3%vs13.0%、DRB1^*1502:31.3%vs23.2%、DRB1^*0803:31.3%vs18.2%、HLA-DQB1^*0602:6.3%vs11.6%、DQB1^*0601が62.5%vs36.2%でありDRB1^*0803、HLA-DQB1^*0601アリル頻度が増加していた。 [考察]我々はcDNAライブラリーとHLADR分子の親和性をスクリーニングすることによりDRB1分子と神経カドヘリンの親和性が高いことを見い出した(DQB1との親和性は不明)。このDR分子はCNSループスの疾患標識抗体であるリボゾーマルPとも親和性も持っていた。このことは本疾患で標的とされている神経細胞の分子のひとつに神経カドヘリンがあることを示唆している。今後、症例数の増加と結合するアミノ酸配列の決定が必要となる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 大久保光夫,前田平生: "HLAに基づく個体差,自己免疫疾患とHLA."治療学. 33. 1277-1280 (1999)
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[Publications] 大久保光夫: "慢性関節リウマチにおける自己抗原検索の進め方"リウマチ科. 21. 430-435 (1999)
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[Publications] 大久保光夫,広畑俊成,前田平生: "Neuropsychiatric Syndromes of SLE患者におけるHLAの解析"リウマチ. 40. 360 (2000)