2000 Fiscal Year Annual Research Report
膵臓癌に対する内視鏡的遺伝子治療開発のための目的遺伝子の同定
Project/Area Number |
11770266
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 賢一 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10282055)
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Keywords | 膵癌 / FasL / Caspase-3 |
Research Abstract |
1)Serial Analysis of Gene expression(SAGE): 現在まで、膵疾患を疑い手術摘出例約20例において膵液を採取し、RNA抽出を行い、SAGE法の準備段階にある。 2)膵癌におけるFas ligand,caspase-3発現の検討:膵癌におけるFasL発現並びにそのシグナル伝達の最下流にあるアポトーシス実行caspaseであるcaspase-3の発現を検索し、その進展に関与しているか検討した。Fas ligand(FasL),Fas receptor(FasR),caspase-3の発現を膵癌cell line4株,膵癌組織22例,膵管内乳頭腫瘍13例,と正常膵組織5例にて、RT-PCRと免疫染色にて,Apoptotic Index(Al)をTUNEL法にて解析した。また,PANC-1とヒトT細胞白血病cell line Jurkatをcocultureし、膵癌細胞のFasL発現によるアポトーシスの誘導能力を検討した。FasL,FasR,caspase-3のmRNAの発現は膵癌細胞株4例全例、膵癌組織全例に認めた.caspase-3 mRNA発現は膵管内乳頭腫瘍では弱い発現であった.免疫染色では膵癌において,FasL,caspase-3の蛋白発現をそれぞれ,84%,100%と高頻度に認めた.Caspase-3の発現は浸潤癌においては細胞質に,膵管内乳頭腫瘍では核内に認めた..Coculture assayでは、PANC-1はJurkatのアポトーシスを誘導したが,PANC-1はアポトーシスが誘導されなかった.膵癌細胞は,FasL発現によって周囲細胞にアポトーシスを誘導するが,自身は耐性であり,生体免疫機構から逃避することにより進展する可能性が示唆された.その理由として,細胞質内で発現を認める浸潤癌のcaspase-3が活性化されていない可能性が考えられた.
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Research Products
(1 results)