1999 Fiscal Year Annual Research Report
レトロウイルスベクターを用いたB型肝炎モデルマウスの作成とその臨床応用
Project/Area Number |
11770288
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
静間 徹 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20307523)
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Keywords | レトロウイルス / B型肝炎ウイルス |
Research Abstract |
HBVのcore領域とenvelope領域のそれぞれを含むプライマーを作成した。(HBV-c1:5'-AAGCTTATAAATTGGTCTGCGCACCAGCA,nt.1789-nt.1811,HBV-c2:GAATTCTGTAGAGGAATAAAGCCCCGTAA,nt.2510-nt.2488,HBV-e1:5'-AAGCTTGGTCACCATATTCTTGGGAACAA,nt.2821-nt.2843,HBV-e2:5'-GAATTCCAATTCTTTGAGATACTTTCCAA,nt.1000-nt.978)この2組のプライマーには、それぞれの両端に、EcoRIとHindIIIの認識配列を付加してある。これらのプライマーを用いて、すでにクローニングしてあるHBV株(adwR9)をtemplateとして、PCRを行った。この結果、HBVのcoreの全領域と、envelopeの全領域を含むPCR productが作成された。これをレトロウイルスベクターLXSNのクローニングサイトのEcoRIと、HindIIIの酵素切断部位に挿入した。次にこのベクターによる組み替えレトロウイルスを作成する目的で、作成したベクターをパッケージング細胞(BOSC23)にトランスフェクトした。3日間培養しその培養上清を採取し、フィルターで濾過した後、蛋白の発現実験に用いた。各種の培養細胞の上清中にこの組み換えウィルスを添加したところ、リンパ腫細胞株である、Jarkut,Daudiで感染3日後より、上清中HBs抗原、HBc抗原を検出した。肝癌細胞株であるHuH7,HepG2でも同様にHBs抗原、HBc抗原の分泌を認めたが、リンパ球系の細胞に比べ、低力価であった。今後は、組み換えレトロウイルスを、マウスに注射して、in vivoにおけるHBV関連抗原の発現を調べる予定である。
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