1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11770296
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
西村 明芳 近畿大学, 医学部, 講師 (70288893)
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Keywords | 大腸上皮細胞 / butyrate / IGFBP / IGF |
Research Abstract |
大腸上皮細胞株であるCaco-2細胞を培養し、培養環境中にSCFAとして同じエネルギー量としたbutyrate,propionate,acetateを個々に添加し、NEAAも間様に,添加培養した。培養上清中のIGFBPを^<125>I-IGF-lを用いたwesternligand blot法で検討した結果、butyr ate,propionate,acetateおよびNEAAはそれぞれIGFBP産生パターンに対して異なった影響を示した。Butyrate はIGFBP-2の産生増加、IGFBP-3の産生低下を示し、IGFBP-1、IGFBP-4に対しては影響しなかった。propi onate,acetateではbutyrateで認めたIGFBP産生への影響は認めなかった。NEAAではIGFBP産生パターンの変化は認めなかったがNEAA濃度に依存して産生量の増加を認めた。これらの実験から、butyrateのみがIGFBP産生パターンに対して劇的な変化を及ぼすことが示された。Butyrateの作用がCaco-2細胞の機能においてRNAレベルに及んでいるかを検討した結果、IGFBP-2 RNAの増加とIGFBP-3RNAの低下を認め、westernligand blot法で得た結果と一致した。他のSCFはRNAレベルでも特に変化は認めなかった。Butyrateはhistoneのacetylationに影響を示すが、histoneのacetylationを調節するTrichostatin AをCaco-2細胞へ添加培養した結果では、Trichostatin A濃度によってはbutyrateで得たIGFBP産生パターンとは異なったパターンを示すため、butyrateのCaco-2細胞への作用はhistoneのacetylationの調節以外にも存在することが考えられた。
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