1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト肝細胞癌における遺伝子異常、特に癌細胞増殖ならびに抗癌剤抵抗性についての研究
Project/Area Number |
11770300
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
早田 哲郎 福岡大学, 病院, 助手 (30289532)
|
Keywords | Cytochrome P450 / TGF alpha / Hepatocellular carcinoma / polymorphism |
Research Abstract |
肝細胞癌症例にうちHBV,HCVの関与が明かなものを除いたいわゆるNonB-nonC HCCについてCytochromeP450(CYP)familyのpolymorphismを検討した。 CYP2E1はC2 alleleがHCCのRisk factorになるとの報告が多いが本研究では健常者との間にC2 allele出現頻度の差はなかった。 CYP1A1はMspI siteのpolymorphismとHincII siteのpolymorphismについて検討した。MspI polymorphismでm2geneを持っている症例の多くはHincII polymorphismでIleからValへの変異を合わせ持っており両polymorphismは関連があると考えられた。また従来の報告とは反対にm2geneは健常者に有意に多く、m1geneがhepatocarcinogenesisに関与する可能性が示唆されるという興味ある結果を得た。 肝細胞と肝癌細胞に共通するgrowth factorであるTGF alphaについて、切除後早期再発し急激に進行したHCC症例の病態に関与するかを検討した。切除後の残肝組織とHCC再発部のTGF alpha発現は著しく肝切除によって誘導されたTGF alphaがautocrine/paracrine機構によって再発および急激な進行に関与した可能性が示唆された。
|