1999 Fiscal Year Annual Research Report
DAN相同組換えを利用した結核ワクチン開発のための基礎研究
Project/Area Number |
11770306
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
松葉 隆司 鳥取大学, 医学部, 助手 (20304206)
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Keywords | マイコバクテリア / DNA相同組換え / recA / intein |
Research Abstract |
1.recA遺伝子産物の発現と精製: 結核菌群マイコバクテリアのrecA遺伝子 (成熟型recAとintein遺伝子)を、それぞれ単独にPCR法を用いM.bovisゲノムDNAより増幅し、発現用プラスミドベクターに組み込み大腸菌で可溶性に発現させた。発現蛋白は4〜5種類のカラムクロマトグラフィーを利用して精製した。精製度は90%以上であることを電気泳動後の染色性で確認した。 2.精製蛋白の性状解析 (1) 成熟型recA蛋白: DNAに対する結合能を調べると、2本鎖DANとの複合体は凝集しやすい傾向にあったが、NaCl等の一価のイオンを共存させることにより抑制された。遺伝子相同組換えの最適条件を試験管内反応で検討すると、DNA結合能解析の結果同様、一価のイオンを要求した。また、recA蛋白の活性に必須とされるATPとMg^<2+>要求濃度は大腸菌recA蛋白の要求濃度条件とは異なり、大腸菌よりもより厳密な条件をDAN組換えに必要とした。また、組換え効率を経時的に測定すると大腸菌recAのものとほぼ同等であった。このことから成熟型recA単独によりDNA相同組換え効率が低くなるとは考えにくく、inteinを含む他の因子がその効率に影響を与えることが示唆された。 (2) intein蛋白: recA蛋白はその活性にATPやMg^<2+>の共存因子を必要とするが、intein蛋白は共存因子無しで迅速で高いDAN結合能が検出された。しかし結合後の複合体の安定性は、recA蛋白の場合と比べ低いことが明かとなった。intein蛋白を試験管内DAN相同組換え反応に添加した場合、これまでの実験条件下ではrecA蛋白による相同組換えに対する著しい影響は検出されなかった。現在、さらに詳細な条件検討を行っている。 (3)成熟型recAとintein間の相互作用: BIACOREを用いて現在検討中である。
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