1999 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジェニックマウスを用いた気管支喘息実験モデルの開発とその応用
Project/Area Number |
11770318
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
馬上 喜裕 東海大学, 医学部, 助手 (60276798)
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Keywords | 気管支喘息 / Th1 / Th2バランス / トランスジェニックマウス / OVA / BALB / c / 気道過敏性 / 好酸球 / 気管支肺胞洗浄 |
Research Abstract |
本年度申請者はトランスジェニックマウスを用いてTh1/Th2バランスを人為制御することにより、気管支喘息実験モデルを開発した。 IAd結合性OVA(卵白アルブミン)ペプチド特異的T細胞レセプタートランスジェニックマウス(TCR-Tg)の未分画脾細胞を採取した。未分画脾細胞からナイーブT細胞を分離し、Interleukin-2(IL-2)、IL-4、抗IL-12抗体、抗Interferon-γ(IFN-γ)抗体、OVAペプチド、抗原提示細胞とともに培養することでTh2細胞を誘導した。メスのBALB/cマウス32匹を4群(対照群、OVA群、Th2群、Th2/OVA群)に分けた。誘導したTh2細胞(2×10^7)をTh2群、Th2/OVA群に静脈内注射した。24時間後、OVA群、Th2/OVA群には超音波ネブライザーを用いて1%OVAを20分間吸入させた。さらに24時間後、気道過敏性試験をメサコリン(0、3、6、12、24、48mg/ml)吸入時の気道抵抗を測定することにより行った。気道抵抗の測定は米国Buxco社製無拘束呼吸機能解析装置を用いた。気道過敏性試験後、それぞれのマウスに気管支肺胞洗浄(BAL)を行い洗浄液中の細胞分画を検討した。 Th2/OVA群のみでBAL細胞中の有意な好酸球増多、気道過敏性の亢進を認めた。他の3群間には有意差を認めなかった。 次年度、本気管支喘息実験モデルを用いて、気管支喘息に対する抗サイトカイン療法の可能性を検討する予定である。
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