1999 Fiscal Year Annual Research Report
SDO活性中心の点突然変異を導入したALSマウスモデルの作成に関する研究
Project/Area Number |
11770323
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 正志 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (70302148)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 運動ニューロン / 選択的脳細胞死 / 家族性 / トランスジェニックマウス / 点突然変異 |
Research Abstract |
筋萎縮性側策硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis 以下 ALS)は進行性の難治性神経疾患で、その予後はきわめて不良である。今日までその原因は明らかにされておらず、したがって有効な治療法は全く確立していない。ALS発症者の5-10%は家族性ALSで、通常は常染色体優性遺伝形式をとる。近年、家族性ALSにおいてCu/Zn superoxide dismutase(以下Cu/Zn SOD)遺伝子の変異が報告され、それによる運動ニューロン選択的細胞死の機序の解明が待たれている。本研究はCu/Zn SOD遺伝子異常による運動ニューロンの選択的細胞死の機序を解明するために、研究代表者である青木が既に報告している日本人独自の点突然変異をマウスに導入し、ALSの新しいモデルマウスを作成することを目的とする。臨床的に非常に急速な経過をとることALS家系での点突然変異と極めて緩徐な経過をとるALS家系の突然変異を持つ2種類のトランスジェニックマウスを作成し、その表現型の違いを検討することにより、神経細胞死の機序を解明する。まずヒトゲノムPACライブラリーをスクリーニングすることのより、Cu/Zn SOD遺伝子を含むPACを同定、このPACより制限酵素を利用して、プロモーター領域を含むゲノム Cu/Zn SOD遺伝子をベクターにサブクローニングした。この遺伝子内にミスマッチプライマー法を用いて、我々が既に報告している日本人家族性ALS患者の点突然変異(H46R および L84V)の導入を行った。さらには上記の変異遺伝子をマウス受精卵の前核へ微量注入することによりトランスジェニックマウスの作成を行い、生まれてきたマウスの尾部からDNAを抽出しサザンプロット法により導入遺伝子を確認した。すでに一部のトランススジェニックマウスのラインでは発祥がみられている。
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