1999 Fiscal Year Annual Research Report
G蛋白βγが誘導する神経細胞死標的の同定-アルツハイマー病原因遺伝子の標的-
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11770335
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松田 修二 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70296721)
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Keywords | アルツハイマー病 / 神経細胞死 / APP |
Research Abstract |
受容体様の構造をもった一回膜貫通型の膜蛋白である、アルツハイマー前駆体(APP)は広汎な神経細胞死をおこすアルツハイマー病(ア病)やダウン症の病原遺伝子の一つであることが知られているが、その機能は未解明であった。私達の研究室では、APPが三量体GTP結合蛋白質(G蛋白質)のGoを介して、細胞死シグナルを伝えること、そのシグナルがGo αではなく、β2とγ2の組み合わせで伝えられていることを発見している。したがって、ア病に伴う細胞死を解明するためにはG蛋白質のβ2に特異的な標的蛋白質の解明が重要である。 本研究ではヒトGβ2遺伝子全長をベイトとしてヒト胎児脳ライブラリの200万クローンと、成体マウス脳ライブラリの500万クローンを検索し、複数のGβ2標的分子クローンの候補を得た。マウス脳のライブラリから、6つの異なる断片が得られた、APPのホモログである、APLP1について初めに解析した。APLP1の細胞内ドメインとGSTとの融合蛋白をグルタチオンビーズに固層化し、β2,γ2を発現させたCOS細胞の抽出液を沈降させたところ、β2 γ2結合を確認できなかった。マウス脳からRT-PCRによって、APLP1のcDNA全長をクローニングし、COS細胞で、APLP1,β2,γ2を発現させて抗γ2抗体で免疫沈降したが、APLP1とβ2 γ2の結合は確認できなかった。それまでに試した実験条件では、β2 γ2との結合を示唆する蛋白レベルでの実験結果が得られなかったので、APPの細胞内ドメインを含む領域と結合する別の蛋白因子が、β2 γ2とAPLP1などの結合に関与する可能性を考え、マウスAPPの細胞内ドメインを含む複数のベイトを作成し、成体マウス脳のライブラリとア病患者脳のライブラリを検索し、既知の物を含む複数の標的クローンの候補を得た。現在そのcDNAの全長および蛋白発現による解析を行っている。
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