2000 Fiscal Year Annual Research Report
若年性パーキンソン病原因タンパク質の構造と生理作用
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11770336
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
川村 猛 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70306835)
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Keywords | パーキンソン病 / Parkin / リン酸化 / 質量分析 |
Research Abstract |
常染色体劣性遺伝形式の家族性パーキンソン病(AR-JP)の原因遺伝子であるParkinの機能の解明のために大腸菌を用いてHis-tagを融合させたヒトParkinタンパクを発現・精製し、これがin vitroでリン酸化されることを発見した。これはParkinタンパクのリン酸化予測部位が変異した患者が確認されていることから興味深い結果である。また昨年Parkinタンパクがユビキチンリガーゼ活性をもつ事を当研究室が共同研究者らと報告した。そこでParkinタンパクのユビキチンリガーゼとしての基質および活性制御に関わる会合タンパクの存在を探索するために、Parkin全長抗体を固相化したカラムを作製し神経系の培養細胞からのParkinタンパクのアフィニティー精製、Parkinおよびリン酸化Parkinタンパクを用いたウェストウェスタンブロッテイングをおこなった。アフィニティー精製ではParkinタンパクと同時にいくつかのParkinと結合していたと考えられるタンパクが得られた。その中のひとつは免疫染色でParkinタンパクと局在が同じであるとの報告があるアクチンであった。ウェストウェスタン法ではParkinのリン酸化状態で変化するタンパクのバンドがいくつか検出された。この事からもParkinタンパクがリン酸化により制御されていることが示唆される。現在、これらのタンパク質の同定を質量分析機を用いたMS-tag法で進めている。リン酸化部位についてもin vitroでリン酸化されている部位が患者で変異している部位と同じか、また培養細胞、臓器レベルでのParkinタンパクのリン酸化状態を質量分析機をもちいて解析している。これらの結果からパーキンソン病の病態に関与する一連のタンパクが検出され、リン酸化によるParkinタンパクの活性制御が解明されることが期待される。
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