2000 Fiscal Year Annual Research Report
聴性中間反応を用いたvigilanceレベル評価法の確立、加齢変化と香りの影響
Project/Area Number |
11770338
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
松村 美由起 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70246510)
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Keywords | 聴性中間反応 / vigilance / 香り |
Research Abstract |
26〜36歳の若年健常成人15名を対象として検討した。 MLRは、昨年度と同様、vigilanceレベルの異なる2種類の課題を課して行い、鼻尖を基準として頭皮上15部位より記録した脳波は、CzにおけるPb振幅をもとに等電位分布図を作成し、T-value mapを用いて統計解析を行った。香りは、レモン香とミント香の2種類を用いそれぞれ別々に吸入させ、コントロールとして無臭空気を吸入させた。MLRは、香りの吸入の前、中、後に記録し、同時にフリッカーテストも行った。結果:無臭空気及びレモン香吸入時には、Pbの頭皮上分布も、Pb振幅も吸入の前後で有意差がなく、vigilanceに与える影響は認められなかった。一方、ミント香では、非標的音である1,000Hz純音を呈示した際には、香りの吸入にかかわらずvigilance効果は認められなかったが、標的音である2,000Hz純音を呈示した際には、吸入中ではT6,O1,O2において、吸入後ではFp1,Fp2において、それぞれvigilance効果が認められた。また、フリッカーテストでは、無臭空気、ミント、それぞれの吸入では、両眼とも変化はなかったが、他方、レモンの香り吸入時には吸入前に比較し、吸入中および吸入後にC.F.F.値の有意(p<0.05)な低下が認められた。なお、いずれの香りに対する好みは、全被検者で『好き』であった。以上より、Pbは、ミントの香りは興奮作用を有し、Pbがこれを鋭敏に反映し、一方、レモンの香りは鎮静作用を有し、フリッカーテストがこれを鋭敏に反映した。
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