2000 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化成立過程における新規エンドセリン、ET-1(1-31)の生理機能の解析
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11770354
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
丹羽 保晴 徳島大学, 医学部, 助手 (40284286)
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Keywords | ハムスター / エンドセリン / 血管張力 / 免疫組織染色 / 酵素活性 |
Research Abstract |
我々はヒトキマーゼがbig ET-1から31個のアミノ酸からなる新規血管作動性ペプチド、ET-1(1-31)に変換することを見出している。このET-1(1-31)はETA受容体を介して血管収縮反応、細胞内カルシウムの上昇、サイクリンD1を介した細胞増殖能を誘導し、また内皮細胞ではETB受容体を介して一酸化窒素(NO)の産生を促進するなど多彩な生理機能を明らかにした。しかし、in vivoでの基礎データと心疾患でのデータが少ない。 本研究はハムスターを用いて、動脈硬化の進展とET-1(1-31)の生理機能の関連性を検討した。普通食、高脂肪食、高脂肪食+L-NAME群の3群を作成し、10週間と40週間処置後の血圧、組織染色、血管張力反応、酵素活性を測定し、解析した。組織の病態変化は、40週間の処置で、高脂肪食群+L-NAME>高脂肪食群の順で大動脈弓、心血管の肥厚が顕著に確認できた。また、胸部大動脈のキマーゼとアンギオテンシン変換酵素、ACEの酵素活性をANGIからANGIIへの変換率、big ET-1からET-1(1-31)への変換率としてHPLCにより解析した。その結果、3群とも処置期間が長いほど両酵素の酵素活性が上昇し、特に高脂肪食+L-NAME>高脂肪食>普通食群の順に酵素活性の上昇が認められた。エンドセリン変換酵素の活性も測定したが、キマーゼやACEほど処置期間と処置法による酵素活性の上昇はなかった。この結果より、動脈硬化の進行にキマーゼとACEが関与し、ET-1(1-31)の生成はキマーゼによることが判明した。更に血管張力反応を解析した結果、ET-1は血管病態の進行と共に内皮依存的にETA受容体を介して血管収縮反応を起こすことが判明した。ET-1(1-31)は10週間の処置ではETA受容体特異的な血管収縮反応を示したが、40週間の処置では高脂肪食+L-NAME、高脂肪食群の順にETB受容体への親和力が上昇することが判明した。以上の結果から動脈硬化の進展にET-1(1-31)が関与するデータが得られ、その作動伝達経路がET-1と異なる可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yasuharu Niwa: "Production of nitric oxide from endothelial cells by 31-amino-acid-length endothelin-1, a novel vasoconstrictive product by human chymase."Life Science. 67. 1103-1109 (2000)
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[Publications] Noriko Nagata: "A 31-amino-acid-length endothelin, ET-1(1-31), can act as a biologically active peptide for vascular smooth muscle cells."Biochem.Biophys.Res.Commun.. 275. 595-600 (2000)