1999 Fiscal Year Annual Research Report
拡張型心筋症における心筋ミオシン反応性T細胞クローンの同定
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11770360
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
猪又 孝元 北里大学, 医学部, 助手 (20311954)
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Keywords | cardiomyopatty / myocarditis / myosin / autoimmune |
Research Abstract |
本研究ではヒト拡張型心筋症における自己免疫機序の関与を検討するために、最終的に心筋ミオシン特異的T細胞クローンの同定を試みる。計画実施の前段階として、自己免疫機序解明の目的で作成された自己免疫性心筋炎モデルからのT細胞株樹立の手法の確立を目指した。心筋ミオシン免疫により心筋炎が惹起されたルイスラットからリンパ節および末梢血を採取し、抗原(ミオシンおよび心筋炎惹起ペプチド)と抗原提示細胞、さらにIL2添加により培養を繰り返した。リンパ節細胞から特異性判別試験によりミオシン特異的と判断されたT細胞株が得られ、細胞表面抗原ではCD4陽性でIFNγ分泌能を有しTh1細胞であることが確認された。しかし、このT細胞株の受動移入実験では心筋炎は惹起できなかった。現段階では2種類のT細胞株が得られたにすぎず結論付けることはできないが、ミオシン特異的T細胞クローンの心筋組織内移行には何らかの活性化要素が必要である可能性やクローン種による心筋炎惹起能が異なることなどが想定され、現在検討を続けている。一方、ヒト拡張型心筋症では末梢血を材料としてT細胞クローン確立を目指さねばならないが、ラット末梢血からのT細胞株樹立に成功していない。したがって、末梢血を材料として用いる場合通常の手法をさらに発展させる必要があると考えられた。手技手法の確立の後、ヒト検体を用いての計画実施を企画する。
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