1999 Fiscal Year Annual Research Report
トロンボキサンA2受容体αおよびβのG12ファミリー蛋白制御機構の解析
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11770366
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田島 裕久 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50306833)
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Keywords | G蛋白質 / 7回膜貫通型受容体 / G12ファミリー / トロンボキサン / c-Jun N-terninal kinase / JNK |
Research Abstract |
(1)Gs hybridを用いた共役G蛋白のスクリーニング Kunnel法にてトロンボキサンA2受容体TXR cDNA(京都大学成宮教授より供与)のαとβアイソフォームに共通なN端部分の最後に停止コドンを導入し、TXRのC末端スプライス部分を欠失した変異TXR(TXR-Ctr)プラスミドを作成した。TXR-α,TXR-β、および、作成したTXR-Ctrをそれぞれ、C端がG蛋白サブクラス特異的なGs hybrid Gs/12、Gs/13と共にCOS細胞に共発現し、TX2AアゴニストであるU46619を処理してcAMP産生を測定した。共導入したLacZ遺伝子にて補正された結果からTXR-αはG12およびG13と、TXR-βはG13のみと共役することが推測された。また、TXR-CtrはG12,G13両方と共役することが推測された。このことは、TXR-βのC端領域にG12との共役を抑制する機能が内在することが示唆される。 (2)JNK活性の測定 G12やG13の活性型変異体がJNK(c-Jun N-terminal Kinase)を活性化することが知られている。そこで、TXR-αおよびTXR-βの安定発現CHO細胞株を用いて、U-46619刺激によるJNK活性を測定した。HA-JNK cDNAをG12あるいはG13と共に細胞に共発現し、抗HA抗体で免疫沈降して、精製c-JunN端蛋白に対するリン酸化能を放射性ATPを用いて測定した。その結果、TXR-α,TXR-βのどちらの細胞株においても、vectorを導入した場合とG12およびG13を導入させた場合のどちらもU-46619刺激によるJNK活性が誘導されたが、これらに有意差が見られなかった。これは、細胞内で内在性のG12およびG13がJNK活性の誘導に充分な程度、飽和しているためであろうと思われる。今後は、測定法に改良を加えると共に、G12あるいはG13のいづれか一方を欠除する細胞を用いて、さらに探究していく予定である。
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