1999 Fiscal Year Annual Research Report
血流下の血小板血栓上に白血球系細胞が関与する機序の検討
Project/Area Number |
11770367
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
後藤 信哉 東海大学, 医学部, 講師 (50225653)
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Keywords | 血小板 / 白血球 / 血流 / P-selectin / GPIb / GP IIb / IIIa |
Research Abstract |
血流下で形成された血小板血栓に白血球系細胞が関与する機序を検討するために、血小板膜表面上に活性化とともに発現し、白血球と接着することのできる蛋白であるP-selectinに着目した。抗P-selectin抗体をFITCにて蛍光標識し、flow cytometryにて血小板表面上のP-selectin分子数を定量した。非活性化時には計測可能なP-selectin分子は血小板膜表面上には存在しなかった。ADP,Epinephrineにて刺激すると単一血小板上に1521±521分子のP-selectin分子が発現した。血小板をvon Willebrand factor(vWF)の存在下で血流のずりに曝露すると9,000s-1以上の高いずり速度に曝露した時には、ADPなどの活性化物質が存在しなくてもP-selectin分子が血小板表面上に発現した。モノクローン抗体を用いてvWFと血小板膜糖蛋白GP Ibの相互作用を阻害するとP-selectinの発現は抑制された。また、vWFとGP IIb/IIIaの結合を阻害する抗体の中にもP-selectinの発現を抑制するものがあった。血小板浮遊液中の血小板数を減少させるとP-selectinの発現は起こらなくなった。以上より1)血流下で血小板はvWFと相互作用するとP-selectin分子を発現する、2)P-selectinの発現には、vWFとGP Ib、vWFとGP IIb/IIIaの相互作用と、血小板同士の相互作用が必須であった。以上の結果を、日本循環器学会、米国心臓学会などで発表した。論文は投稿中である。また、平成11年度の成果を踏まえて、平成12年度に予定しているflow chamberを用いた実験の予備実験も施行した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 後藤信哉、他: "血流下のVon Willebrand factor依存性血栓系形成機構"動脈硬化. (発表予定). (2000)
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[Publications] Goto S, et al.: "Platelet surface P-selectin Molecules Increaset...."International Journal of Angiology. (in press). (2000)