1999 Fiscal Year Annual Research Report
心筋虚血、心肥大におけるアポトーシス誘導とその役割
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11770369
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
岡崎 史子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10266637)
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Keywords | アポトーシス / 心肥大 / 肥大心退縮 / bcl-2 / 腎性高血圧 |
Research Abstract |
プログラム細胞死(アポトーシス)は生体の発生段階で細胞の分化を制御する生体内機構の一つとして生じることが知られている。しかしながら近年、アポトーシスは様々な疾患に伴って生じる細胞障害に誘導されることが理解されてきた。そこで心筋リモデリングとアポトーシスがどのように関与するか検討を行った。 雄性SDラット(120-150g)の1側腎動脈を狭窄、Goldblatt rat肥大心モデルを作成した。さらに狭窄側の腎を抽出する肥大心退縮モデルを作成した。これらモデルより心筋組織標本及びRNA標本を採取し、TUNEL法によるアポトーシス細胞の検出とアポトーシス抑制遺伝子の一つであるであるbcl-2の発現を検討した。Goldblatt rat、5週の心で心筋細胞にアポトーシスの出現が認められた。加えて、bcl-2遺伝子の発現抑制も認められた。しかしながらDNAラダーの検出には至らなかった。現在さらに術後早期、あるいは術後7-10週といった心肥大後期のものについても検討中である。 一方、肥大心退縮モデルにおいて、圧負荷解除後、1週で線維組織など間質細胞の急速な消失が認められた。このときbcl-2遺伝子の発現抑制が認められたことより、アポトーシスの関与が考えられた。引き続き、退縮過程におけるアポトーシスの役割についても検討中である。
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