1999 Fiscal Year Annual Research Report
心室細動波の光化学マッピングによる除細動波至適時間の研究
Project/Area Number |
11770375
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
八島 正明 日本医科大学, 医学部, 助手 (00247016)
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Keywords | 心室細動 / 光学的マッピング / 除細動閾値 |
Research Abstract |
心室細動中の心筋を除細動する場合、その閾値はさまざまな条件に影響される。本研究では犬の右室切り出し標本を用い、光学的マッピングの手法により除細動通電と心筋興奮量の関係の検討を目的とした。本年度は予備実験として、心室細動中の心筋興奮量の計測を行うのに最適な条件設定の決定を行った。まず、研究の準備として光学的マッピングに使用する実験槽・CCDカメラ・解析用コンピューターを購入。実験室への設置、調整を行った。組織還流液は温度を36度に保つため恒温槽を通し、酸素化したのち実験槽に還流した。電位励起性蛍光色素は還流液に溶解し、実験前に組織を染色した。実験槽内で組織を固定し、電気刺激を行って心室細動を誘発した。細動波を描出するために、ハロゲン光源に特殊フィルターを用いて590nmの単一波長光を照射し、これをCCDカメラを用いて記録した。その際、瞬時に変化し続ける心室細動を正確に記録するためには理論上最高速度での記録が必要であるが、記録速度を上げると精度が低下するためさまざまな記録速度で実験を繰り返した。記録情報はコンピューター上に光学情報として取り込んだが、2-4秒間の記録で膨大な量となった。これを解析するにあたっては、既成のプログラムのみでは直接解析することは不可能なので、汎用解析ソフトウェアを用いて光学情報より興奮心筋量を計測できるようにアレンジした。この解析結果より、今回は4msecの記録速度を採用することとなった。次年度は心室細動中の心筋興奮量の詳細な変化を計測し、除細動閾値を測定する実験を行う予定である。
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