1999 Fiscal Year Annual Research Report
免疫アレルギー疾患病因たんぱく質のNMR法による立体構造解析と新たな治療法の開発
Project/Area Number |
11770403
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
加藤 善一郎 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (90303502)
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Keywords | IL-18 / NMR / 立体構造 / アレルギー |
Research Abstract |
本研究は免疫・アレルギー疾患病因蛋白質の立体構造・構造機能相関を研究することにより、蛋白の機能及び病態の解明・新たな治療法の開発を目的としている。本期間においては、特にリガンドの構造とリセプターとの結合様式の解明を主眼とし、まず、リガンドタンパクの立体構造解析に取り組んだ。 現在までにマウス及びヒトのIL-18発現ベクターの構築・高発現系の確立・安定同位体ラベル・大量高純度精製系の確立は終了した。15Nラベル体、15N・13Cダブルラベル体を用いて多次元NMR法による各種相関スペクトルを測定解析し、そのデータを用いた構造解析に取り組んだ。まずタンパクを構成するN末からC末までのアミノ酸の主鎖の各原子をNMRスペクトル上にアサインし、タンパクポリペプチド主鎖のアサインを終了後、chemical shift index法などを用いた二次構造の解析を行った。ついで側鎖の原子を含めたタンパク構成全原子のアサインを行い、その後原子間距離情報(NOE)・原子の結合角情報(coupling定数)を用いた立体構造計算を行った。その結果、原子レベルでの精密な立体構造を得ることに成功した。 IL-18は1995年にマウスcDNA及びそのヒトホモローグがクローニングされた新しいインターロイキンであり、現在までにいくつかの知見が得られてきているものの、機能の詳細は未だ十分に明らかにされていない。現在までの構造学的検討の結果、IL-2などのファミリーとは全く異なるものであることが解った。この構造の解明は、疾病との関連のみならず、インターロイキンそのものの理解に新たなパラダイムを与えるものと考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Zenichiro Kato: "Glucose metabolism evaluated by positron emission tomography in Lafora disease."Pediatrics International.. 41. 689-692 (1999)
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[Publications] Adriana Maria Montano: "The mouse N-acetylgalactosamine-6-sulfate sulfatase (Galns) gene:cDNA isolation,genimic characterization, chromosomal assignment and analysis of the 5'-flanking region"Biochimica et Biophysica Acta. 61919. 1-12 (2000)